官製ワークングプア研究会 報告(その3) 『読解 総務省報告書』(3)
(4)地方公務員法及び地方自治法の一部改正法案の日程、概要、進捗段階
・提出予定日 2017年3月10日 ・施行期日 2019年4月1日 施行まで2年
・改正内容 ①特別職の任用の厳格化 臨時的任用の厳格化
②新たな一般職非常勤職員の任用の明確化 その名称は仮称で会計年度
任用職員
③会計年度任用職員(一般職非常勤職員)に給料と手当を支給対象とする
・その(法案改正の)段階は今
①内閣法制局対策―現在詰めの段階―従前の例を挙げるのが定法=国の制度を
見習って
②与党対策―ご説明の段階―公務員として取り扱う・守秘義務のため・労働基
本権制約のため
③財務省主計局対策―与党政治家・地方や世論の圧力=財源措置は、これから
(5)地方公務員法改正
〇現行
臨時・非常勤職員の任用根拠別形態(総務省資料)
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任用根拠 |
任用期間 | 勤務形態 | |
一般職 |
地公法17条 (正式任用) |
任期あり |
主に非常勤 |
通常1年以内の任期を定めて任用されている。 |
地公法22条 (臨時的任用※) |
任期あり (6月以内。更新により1年まで可) |
主に常勤 |
①緊急の場合、 ②臨時の職の場合、 ③任用候補者名簿がない場合、 に限定 更新は1回のみで、1年を超えて継続して勤務することができない |
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特別職 |
3条3項3号 |
任期あり |
主に非常勤 |
通常1年以内の任期を定めて任用されている。 |
※臨時的任用は地方公務員法22条のほかに、「地方公務員の育児休業等に関する法律」第6条及び「女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律」第3条に基づくものがある。
〇改正
・特別職非常勤職員 3条3項3号
専門性の高い者等に任用の対象を限定(←立法的対応or通知により解釈を明確に示
す)
法案では、3条3項3号厳格化し「学識経験等に基づき、助言、調査を行う者」とす
る。
通知で、職を列記する。
※研究会報告書:Ⅲの3の①(p6)
また、特別職非常勤職員への移行については、教員や保育士などの一定の資格を有する職員を含めて行われることとなる。このため、特別職非常勤職員としては委員、顧問などの専門性の高い者のみが存続することとなり、それ以外の職員は全て一般職非常勤職員に区分されることになる。
・臨時的任用職員 22条
法案では22条任用の厳格化し「常勤職員に欠員生じた場合」
※研究会報告書:Ⅲの2(p5)
① 臨時的任用については、緊急やむを得ない事情等(ア)緊急の場合、イ)臨時の職に関する場合、ウ)採用候補者名簿がない場合等)により、正規の任用の手続きを経るいとまがないときに、公務の円滑な運営に支障を来すことがないよう行われる特例的な任用である。臨時的任用は、このように正規任用の特例として認められるものであり、もし、これが濫用されるようなことがあれば、成績主義の原則を乱し、任用制度の適正な運用を阻害するおそれが大きいので、これを行いうる場合、方法、期間等について、地公法上厳格な制限が設けられている。一方、臨時的任用職員は、臨時・緊急の場合に限って任用されるものであるため、地方公務員育休法について適用除外となっている。② この臨時的任用の要件として、国家公務員の場合、「常勤官職に欠員を生じた場合」に任用できることとされている。地方公務員の臨時的任用についても同様の取扱いとし、厳格な制限を徹底すべきであり、立法的な対応を検討するか、あるいは、通知等により解釈を明確に示すべきである。
・一般職非常勤職員 17条
報告書では、一般職非常勤職員の新たな仕組みを示している。学校の非常勤講師も
ここに移行される可能性が極めて高い。
今回の、「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関す
る研究会報告書」はこの部分がメインであり、全24ページ中の8ページ余りを使っ
ている。その内容は、 募集・採用・任用等、 服務・懲戒、人事評価、給付(給付
体系、手当、給料水準の設定)、その他の勤務条件等 、定数、再度の任用の各項目
で整理・見直しを行っている。
制度設計は報告書では、「特例として競争試験又は選考により任期を定めて採用」
(←選考でよいということ)としている。「任期は採用日の属する会計年度末まで
(最長1年)」。「再度任用あり」。「勤務時間はフルタイム・パートタイムともに
有り」。「兼業可能」。
法案概要説明では、一般職非常勤職員として「会計年度任用職員(仮称)」に関す
る規定を設け、採用方法や任期等を明確化した。
本日はここまで
次回は「会計年度任用職員(一般職非常勤職員)」の制度設計を書きます。
(つづく)