熊本教育ネットワークユニオン

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電気とマスク

私は使い捨てを洗って使っているマスク。新型コロナで何かと話題です。布マスク、不織布マスク、N95マスク、アベノマスク?。

マスクと電気の関係を学びましたので、しゃべりたくてたまらず、ここに書きます。

 

【基礎知識要約】

1)「磁石」と同じ考えから発想した「電石」というものがあるということ。いわば『「永久」分極物』2)1919年(1924年と書いてある文献もある)に考えられ、作られていたこと。3)現在身の回りで掃除用具、マスク、マイクロホンとして応用されている。
凄いことだが、今まで知らなかった。


以下投稿者の学習メモ

【 エレクトレット 】
下の文は次からの引用(一部)です。
http://memspedia.mmc.or.jp/…/%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AF%E3…

 エレクトレットは,電荷を閉じこめた絶縁体であり,真の電荷が注入されている場合と, 電気双極子が一定方向に向くことにより,表面電位が生じる場合に大分される.
 1924年にエレクトレットの作製方法を世界で初めて発見したのは,海軍大学校の教官だった江口元太郎である. 江口は,カルナウバ蝋と松脂の混合物に電界を掛けながら昇温し,冷却後に電界を取り去る方法を考案した.この方法は,熱的荷電法と呼ばれる.その後,1960年に,当時Bell研究所にいたG. Sessler (現Darmstadt大学)によってエレクトレット・マイクロホンが発明され,FEPなどのフッ素樹脂を用いた エレクトレット・マイクロホンは,現在でも広く利用されている(Sessler, 1998).(一部略)江口と同様の方法で作製したエレクトレットの表面電荷密度が,36年後もほぼ同じだったという 報告もある(Takamatsu, 1991).何故,このような長期間電荷が減衰しないかについての物理機構の 詳細は不明であるが,電界により膜内のキャリアが消滅してしまうというモデルも提案されている(Malecki, 1999).エレクトレットは,MEMS分野での応用例が増えてきており,マイクロフォン(Hsieh et al., 1997), 発電器(例えば,Boland et al., 2003)の他,gamma線センサ(Son & Ziaie, 2006), 静電浮上(Tsurumi et al., 2008),液滴アクチュエータ(Wu et al., 2008)などが検討されている.

【1988年の学術雑誌「表面科学」】(https://www.jstage.jst.go.jp/…/9/2/9_2_1…/_article/-char/ja/) にはダスキンの中島義博氏が「エレクトレット応用によるダスト吸着」という記事を記載され次のように書かれている。
エレクトレットの静電気力を利用して室内粉塵の捕集を行なうモップについては弊社が,エアフィルタについては数社によって開発されている。」

【2000年の「繊維機械学会誌」】
 東洋紡総合研究所先端材料研究所の高瀬敏氏は2000年の繊維機械学会誌(53 巻 4 号)にて
「その実用化は種々の合成高分子材料が工業化され,容易に入手できるようになってからであり,1968年のエレクトレットマイクロホンが最初である.2)この実用化を機に研究が再度活発化し,これを不織布へ応用したのがエレクトレット(除塵)フィルターである.1980年代初めに東洋紡,3M,日本バイリーンが相次いで空気清浄機用,マスク用などで製品化し,今日では国内だけでも9社が製造販売を行い,60億円/年以上の市場に育ってきている.」と書かれている。あの高性能マスクは電石(エレクトレット)を応用実用化したのか、と驚くばかりである。

長生きすると新しいことを知り「儲かった」とつくづく感じる。
最後までお付き合いありがとうございました。

投稿者 小林敏夫