熊本教育ネットワークユニオン

活動の報告と相談の窓口です。またブログ担当者の学習の跡でもあります。過去の記事をご覧になるときは下のメニュー欄をクリックください

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タイガー計算機

▶今から約50年前、タイガー計算機に会った。今朝の朝日新聞新聞小説に登場している。1923年の開発だそうだ。開発者の大本寅治郎の名から虎を取り「虎印計算機」とし後「タイガー計算機」とされたとか。

▶1970年に大学1年生教養部の「物理学実験」で出会った。「凄い!」と思った。数が少なくなかなかつかえなかったが・・・。先週土曜部に近くの熊本高専で「陳列ケース」に行っていたのを懐かしく眺めたものだった。

▶その後(1970年代)計算機の発達・普及は目覚ましく、当時、Fortranで動く大型電子計算機(富士通)が熊本大学に1台しかなかった。さらに性能が良い計算機が九州大学にあり4年生の卒業研究に必要な友人たちは九大まで行っていた。アタッシュケースに紙製のカードを多量に詰め込み。現在では、私もパソコンを使っている。測定器・計測器も電気信号をペンに作用させるのではなく、ソフトとパソコンでディスプレィに出し、プリントアウトする。すごい時代だ。

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初めてオンライン授業をしました

初めてオンライン授業をしました

 私の勤務校も分散登校の対象になった。8月下旬、教科主任から電話があり、オンライン授業の研修に非常勤講師も参加して欲しいとのことだった。

 非常勤を含めて全教員がタブレットを持参して、研修が2時間ほどあった。1学期に同じ科目の先生に担当クラスのGoogle classroomに生徒の名前やアドレスなどのデータは登録してもらっていた。詳しくは説明できないが、若手の先生に助けてもらいながら各授業のclassroomからGoogle Meetにリンクを作った。そこから、授業の配信方法などの説明があった。そして、2班に分かれて教室で実際にタブレットの実地練習をした。

 勤務校では1・2年生はタブレット配付済みで、授業時に使用している教科もあったようだ。私は確か2月頃タブレットを受け取ったが、最初インターネットにつないだくらいで、ほとんど置いたままになっていた。6月にタブレットについてのweb研修を学校と自宅で4時間ほど受けたが、私が授業で使うという実感はあまり湧かなかった。

 すでに多くの常勤の先生方は授業でPCやプロジェクターなどのICT機器使っておられた。コロナ禍の昨年からはインターネットを使って生徒への連絡などや、ズームを使っての出張や会議を経験されていた。私は授業プリントはずっと作っていたが、昨年までほとんど板書のみの授業をしていた。今年から教室のプロジェクターを使い始めた程度である。

 9月1日(水)は奇数番号と偶数番号の生徒が午前と午後に分かれて登校した。クラスでタブレット操作、特にオンラインでの出欠の取り方などを確認していたようだった。翌日から分散登校が始まるので、授業プリント2枚をクラスで配付してもらった。

 9月2日(木)は奇数番号の生徒が登校して、偶数番号の生徒はオンラインで自宅での授業が始まった。授業するクラス・教科のclassroomにあるMeetのリンクを教員が先に立ち上げないと、ホストになれず授業を主導できないと聞いていた。

 生徒参加の時間は決められていたが、早めに立ち上げて待っていた。すると、半数の生徒が次々に画面に入ってきた。名前を呼んだら、ほとんどの生徒がすぐに返事したが、あとで返事を求め直すこともあった。事前の生徒自宅のWi-Fi環境の調査をもとに未設置の場合は授業用のポケットWi-Fiを生徒に貸与していたこともあり、一応オンラインの生徒全員とつながった。多くの顔と名前がタブレットの小さな画面に並ぶので、誰が返事したかはあまり分からない。あとで、大学の講義での「代返」を思い出してしまった。

 最近ようやくスマホを手にしたばかりの私が複雑なことはできないので、ライブ中継のみでいこうと思っていた。しかし、授業前になると何か妙な緊張感がある。PDFにした授業プリントを教室に備え付けのPCとプロジェクターで映し出して授業を進めた。タッチペンが使って線や字をスクリーンに書きながら、目の前にいる生徒とオンラインで自宅にいる生徒に話した。下から写して台形になったスクリーンの画像がハッキリ届いているか不安になった。「見えてるかい」と言うと、何人かの生徒がうなずいてくれた。最初の授業はほとんど一方向だったが、次の授業はオンラインの生徒にも少し答えてもらった。この歳になって初体験で勝手の違うオンライン授業は、さすがにくたびれる。

(熊本教育ネットワークユニオン true myself)

 

キーワード『やりがい搾取』

キーワード『やりがい搾取』

▶なんとわかりやすい言葉だろう。やりがい搾取。手元に届いた「NPO官製ワーキングプア研究会レポート」2021-8(第35号)を見ていた。「公務非正規女性全国ネットワーク(はむネット)」のアンケートに次のグラフがあった。質問は「あなたの職場は?」

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▶この、「やりがい搾取」という言葉は月刊JTUによく執筆される東京大学本田由紀さんが2007年ごろ定義されたとか。私は教育現場にいたとき「人も物を取ったら泥棒だけど、人の時間をとってもなんとも思わない人がいる」と言っていたが、「取られても我慢できる」のは「やりがい搾取」にあっているためだったのだ。

ウィキペディアは、支払うべき賃金や手当の代わりに、労働者に「やりがい」を強く意識させることにより、本来支払うべき賃金(および割増賃金)の支払いを免れる行為と説明している。

▶「社会にとってなくてはならない仕事」、「エッセンシャルワーカー」、最近は「みんなで感謝しよう」、などと言って(そのことは事実だが)、待遇は改善しない。「やりがい搾取」にあっている。また、管理者は「最後はあの方々は〇〇(患者、子ども達、生徒、お客さん、)をほおってはおけない。何とかしてくれる」と高を括る。こんな状況がいつまで続くのか。こんな状況を放置した結果が各所での人手不足。そしてその現場で働く人は簡単には補充がきかない。

▶制度・システムの抜本的改革が必要なことは言うまでもない。

 

朝刊雑感  朝日新聞(西部本社版)  2021年9月2日

朝刊雑感  朝日新聞(西部本社版)  2021年9月2日

1面 【首相、月内解散を否定】  ⇨ 相変わらず、私利私欲に振り回されている。「誰が?」

注目すべきは中谷元氏の発言、「人事で釣る方法もあるが、党員や国民がどう見るか、おそらくへきえきする」とのべ、・・・。自民党内エネルギー的安定な方向は「菅再選はなし」か?どうでもいいことだが。

2面・3面も【首相の「奇策」不発  「大義ない」総裁選先送りに批判噴出 人事刷新策も不評 揺らぐ基盤】 【いちからわかる!=アウルさんとA】も良い解説。それにしても、あきらかな憲法違反が二つの内閣で続いているというのも驚きだ。国民や国内の団体にたいして示しがつかないのでは?臨時国会拒否問題は4面でも報道。

3面のコロナ対策での【学校再開後の「警戒を」】や【10歳未満の感染87%増 10代は79%増 4週間前比】は警鐘を鳴らしている。

6面には新紙幣印刷の話題。1万円札は「日本資本主義の父」の渋沢栄一。この渋沢さん、日本の殖産興業時代に頑強に「工場法」制定に反対した事実はあまり記載されていない。少し長いが引用する。当時の議事録は読点(。)がなく、句点(、)だけで区切ってある。

( https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?DK230044k_text#DK230044k-0001 )⇐第一回農商工高等会議議事速記録 第二七九―三二〇頁 明治三〇年四月刊

○十一番(渋沢栄一君) 第七諮問案職工取締及保護ニ関スル件ニ附キマシテ、昨日・・・(略)     例ヘバ職工ノ如キニマデ其論法ヲ以テヤルト云フコトハ決シテ廿一番モ御述ベナサルデハナカラウガ、又為シ能ハザルコトデアル、要スルニ是レマデノ有様デハ、廿一番ノ御説ノ如ク真ニ工場ニ於テ使用スル職工、幾ラカ左様ノ傾キガ有ルカ無イカト云フコトハ、余程鄭寧ニ御調査ナラナケレバナラヌカト思ヒマスルシ果シテ有ルト見タ所ガ、是レハドノ辺ノ程度デアルカト云フコトヲ調ベナケレバナラヌ、又果シテ之ガ区域ヲ立ツルト云フテモ是レハ余程考ヘモノデ、夫レガ十分ニ行ハレテ為メニ工場経済ニ或ハ一ノ制肘スル如キ有様ガアツタナラバ、丁度一昨日カ申シタ、一方ニ氷ヲ持タセ一方ニハ温石ヲ持タスヤウナ嫌ヒガナイトハ申サレマセヌ故ニ此法度ノ立ツト云フコトニ反対ハ致シマセヌガ、唯一遍ノ道理ニ拠ツテ、欧羅巴ノ丸写シノヤウナモノヲ設ケラルヽト云フコトハ絶対的ニ反対ヲ申上ゲタイ、故ニ今日発議者タル十五番ハ御出ハゴザリマセヌガ、此案ニ付テハ委員ヲ御立テニナツテ、本会ノミデナク、復タ次ノ会マデニ余程実際ノ調査ヲ致シテ見ルヤウニ致サレタイト希望致シマスス

今日も「声」「社説」「耕論」「私の視点」「生活」と読みごたえがあるが、時間不足でここまで。

侏儒の呟き(2)

読者の皆様8月5日の「侏儒の呟き(1)」

https://kenu2015.hatenablog.com/entry/2021/08/05/154229  を覚えておられますか。今回、投稿者のSさんから「侏儒の呟き(2)」が寄せられました。

 

侏儒の呟き(2)

 表現力の乏しさについて。オリンピック、パラリンピックのために海外から10万人もの選手、関係者の国境越えを認めておきながら、国民に対しては「県境を跨ぐ移動は控えてほしい」 と言う。する事と言う事の矛盾に気がつかないほど、政権中枢部は揃って言葉の感覚が鈍いのか、それとも国民に甘えてみたり、国民を愚弄したりのご都合主義者なのか。表現力の乏しさは政治不信に直結する。
 本人が言わないなら少なくとも官房長官が言うべきである。「何と言われようと、総理の関心は今、❬TOKYO2020❭を無事に終わらせることしかありません。なぜなら国内外への体裁というものがありますから。それに総裁選、衆院選も近いですからね。重い口を開いて『コロナ対策に万全を期す』とおっしゃっているけれど、それは上辺だけのこと。細かい方針は何一つ決まっていないのです。」と。

(侏儒とは小人、または不見識な者を蔑んでいう言葉です。)

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自治体におけるメンタルヘルス対策について非正規公務員を対象とすること(要請)( NPO法人官製ワーキングプア研究会)

私も加入している「官製ワーキングプア研究会」が総務大臣に要請を出しました。

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自治体におけるメンタルヘルス対策について非正規公務員を対象とすること(要請) (NPO法人官製ワーキングプア研究会)

 見えにくいようですからWordで示します。

                 2021年8月27日

総務大臣 武田 良太様

自治体におけるメンタルヘルス対策について非正規公務員を対象とすること(要請)

                 NPO法人官製ワーキングプア研究会

 私共は、公務非正規労働者の待遇改善と、これを通じた公共サービスの向上、住民生活の安心へ向けて調査研究・提言活動を続けている団体です。

 この度総務省が実施した「公務員のメンタルヘルス調査」について、頻発する災害やコロナ禍の拡大、業務量の増加や内容の複雑化・困難化の中で深刻化する公務職場での心の健康に光をあてた、実効性の高い初の本格調査として心からの敬意を表します。

ただ憂慮するのは、こうした中、行政の最前線で住民対応を支える非正規公務員については調査対象として触れられず、実質的に対象から排除される恐れが極めて大きいことです。

 これら非正規公務員は、いまや基幹的職務を担い、住民の間で高まるストレスの影響を一身に受ける場で公共サービスを支え、にもかかわらず、短期契約であることを理由にさまざまなセーフティネットから外されがちです。

 その結果、当研究会が2020年5月に実施した「新型コロナウイルスによる公共サービスを担う労働者への影響調査~エッセンシャル・ワーカー235人からの証言」でも、「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)」が今年5月に実施した「公務非正規労働従事者緊急アンケート」でも、処遇格差、孤立化、研修やサポート体制の不備、住民サービス困難事例対応の集中、更新(再度の任用)期不安などのストレス事例が多く寄せられ、「はむねっと」の調査では、実に回答者の45.8%がメンタル不調を訴えています。 

 こうした非正規公務員の心の健康への対応なしでは、住民を真に支える公共サービスを守ることはできません。そういった危機感から、当会は、今回の公務員メンタルヘルス調査結果の検討において、下記の点にご留意いただけるよう切に要望します。

(1) 調査結果の検討にあたり、会計年度任用職員など非正規公務員の状況を前提とし、なおかつ実態把握が不十分だった時には、追加調査を行うこと。

(2) 更新(再度の任用)にあたり、公務災害あるいは私傷病休暇制度を悪用・潜脱した雇い止めなどを行わないよう通知すること。

(3) 検討過程で、当会、公務非正規女性全国ネット、さらには非正規公務員が加入している労働諸団体へのヒアリングを行い、可能な限り当事者の声を把握すること。

(4) 本調査は、これまで実施された総務省及び(一財)地方公務員安全衛生推進協会の同種調査と同様に、非正規公務員を調査対象から除外しているとみられる。地方公務員法改定によって臨時・非常勤職員の多くが一般職の会計年度任用職員に移行していること、2022年10月からは「週20時間以上勤務、月額賃金8.8万円以上などの会計年度任用職員」は地方公務員等共済組合法が適用されること等を踏まえ、事業場ごとに適用法令が違う現状を改善するために、地方公務員災害補償法改正による制度の一元化を検討すること。

<連絡先> NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長 白石 孝

  電話:090-2302-4908  Eメール:kanseiwakingupua1950@yahoo.co.jp

 

朝刊雑感 2021年8月28日

▶2021年8月28日の朝日新聞(西部本社版12面)の「声」の欄に、神奈川県の44歳の主婦の方からの投稿『横浜市長選の投票率に感動する』を読んだ。IR誘致反対のために住民投票条例を求める署名活動の中から、民意と議会における多数による決定のズレに疑問を感じたとの投稿者さん。今回の市長選で投票の重要さを知った有権者の増加が投票率を12㌽近く上回らせ49.05%としたと感動とともに報告されている。
▶一方で今日も又「何をやっているのだろうか?」という記事も目立つ。自民党総裁選の話題もその一つだ。国会は開かれず、新型コロナ対策は後手後手。また、首相の東京新聞への文書回答の「新型コロナウイルスは未知のウイルスであり、模範解答もない中で、対策に全力を傾けてきた。」には、「?????」である。恥ずかしい。
▶来る総選挙は民意を反映し、命を大切にする政治に政権交代する機会だ。
追記
▶天声人語」でパルスオキシメーターの発明者は日本人の青柳卓雄さんと知った。母が存命中にパルスオキシメーターにはお世話になった。どのような仕組みか興味があり調べたことがある(  https://www.nihonkohden.co.jp/information/aoyagi/ )よくこんな技術が開発されたなぁと感心したものだ。ノーベル賞の候補に推薦されていたとか。