熊本教育ネットワークユニオン

活動の報告と相談の窓口です。またブログ担当者の学習の跡でもあります。過去の記事をご覧になるときは下のメニュー欄をクリックください

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文芸

「イワンの馬鹿」の平和思想

「イワンの馬鹿」の平和思想 (1) 春休み中の一日、肩の凝らない読み物を求めて「イワンの馬鹿」のページを繰りました。過去にも2度、3度と読んだことがあったのですが、トルストイがロシアの民話をまとめたものという程度の認識でした。内容に関しても…

岩の上の孤独

岩の上の孤独 汗ばんだシャツを着替え、木立に囲まれた岩の上で質素な弁当を広げた。かすかな寂しさ、侘しさを感じる。一人ぼっちの山歩きは珍しいことではないのに、なぜこんな寂寥感に捕らわれるのだろう。樹林の静寂のせいなのか、それとも晩秋の風のせい…

3つの五行詩

3つの五行詩 (1) やがて 鳥たちは群れて空を渡るだろう 風が 梢の辺りに漂う音を集めて ワルツを紡ぎ始める頃だ (2) 宇宙の統治者が与えたもうた 叡知と狂気は この星のすべての生命体の 未来と破滅の間で、今日も 細く頼りない天秤棒を揺らし続ける …

「日本百名山」私考(その1)

「日本百名山」私考(その1) (はじめに) 山に関するエッセイや紀行、詩などをこれまでに何度も本欄に投稿してきました。しかし私のノートにはまだまだ豊富に山の記録が残っています。登山やアウトドアに興味のない方には退屈な文章となりますが、この後…

冬が近づくと…

冬が近づくと… (1) 10月の半ば、次のように書いて新たな投稿の準備をしていたのであった。「午後の散歩がようやく心地よい頃となった。つい先日まで濃密な緑の薮だった土手や野原が、小さな花園へと変ってゆく。……」しかしこの言葉は今は使えない。なぜ…

舞台は秋へ

舞台は秋へ (1) 今日も野道を歩く。歩きながら考えた。何と苛烈な、眩くような夏のステージだっただろう。人間社会は摩擦で加熱し、企業は浮かれて低俗な不正を働いた。より激しいのが気象であった。池の水が沸騰し始めるのではないかと心配した。道路や…

夏山の賦

夏山の賦 (1) 山々は今日も歩いている 日に日に私から遠ざかってゆく 谷や尾根がうたを歌っている やがてそのうたも聞こえなくなるだろう (2) シラビソの森の中で 確かに私は聞いた 樹々の呟きが森全体と協和して 膨らみのある旋律が樹間に満ちている…

ノスタルジア(その4)

ノスタルジア(その4) (1) 話を古墳の出土品に戻すとしよう。宇土市立図書館1階の「郷土資料室」の奥にそのコーナーはあった。刀剣4本と槍の穂3本、丸い鏡が大小3個。そして、おそらく女王(願望と敬意を込めてあえて断定する)の身を飾っていたで…

パラサイト・イヴ

パラサイト・イヴ 聖美(きよみ)は、誕生日であるクリスマスイヴの夜、必ず夢を見た。そこは暗かった。どこからか低いうなり声が絶え間なく聞こえてきていた。どちらが上でどちらが下なのかもわからない。ゆっくりとした流れが身を包んでいて、それにまかせ…

ノスタルジア(その1)

ノスタルジア(その1) (1) 「おーい、ミゼットが来たぞ。」と仲間の一人が叫ぶ。すると子どもたちはチャンバラをやめて一斉に道路に飛び出した。その車が目の前を通り過ぎるのを待って、大きい方の子どもらが追いかけてゆく。そして荷台に飛び乗って、…

アラコキ

アラコキ Bさんから巨大な「ふき」をたくさん頂いた。連れ合い様にお願いし、初夏の香りを部屋中にまき散らしながら「佃煮」になった。先日は「鰹のたたき」が食卓に並んだので日本酒の肴になった。そういえば隣家の柿の葉も陽光に照り映え、そろそろホトト…

小説と映画そして命

小説と映画そして命 私は雑誌や新書などは読むが、小説などはあまり読んでこなかった。非常勤講師となり、近年は少しずつは読むようになった。主に歴史時代小説や推理小説などである。これらも、妻がインターネットで市立図書館から借りたものである。 今年…

風の音を聞く

風の音を聞く (1) 今日も野道を歩く。川辺ではカラスノエンドウが実を結び始めた。ノアザミは薄紫の蕾を整えて明日にでも開花しそうな勢いである。片や、あれほど隆盛を誇ったシロツメクサにはやや衰えの兆しが見え始めたようだ。糸状の白い小花の生え際…

春景

春景 (1) 咲き急いだことを恥じらいながら、瑠璃色の小花たちが池の畔で震えていた。木々はざわめき、貪欲な黒い鳥さえ、荒立つ波に怖じけて翼をたたんだ。冷酷な冬の使いが、再び氷の刃を見せつけながら、嘲るように野山を駈けて、この光の中のまどろみ…

短詩二編

短詩二編 (1) 冬の日、厚着をした樹々たちが 大げさに声をあげ体を揺すって 北風と遊んでいた時 その木は静かに立っていた 裸のままで ―― 今日、春の光の中で とっておきの薄衣を持ち出して 涼しく風と遊んでいる (2) 冬の幻想を、私はもっと歌いたか…

渡辺一夫著「フランス ルネサンス断章」 序

言葉で出すのは恥ずかしさを感じるのですが、そして大それたこととも思いますが、私は、大江健三郎さんのファンです。著作はあまり読んでませんから「かくれファン」の部類でしょう。 2005年、当時はまだ愛読していました朝日新聞に『伝える言葉』を連載(月…

侏儒の呟き(10)

侏儒の呟き(10) 1 認識の欠如、想像力の欠如について。どうして毎日毎日、人類はこんなにも地球をいじめ続けるのだろう。ウクライナの都市は今日も火の玉に巻かれ、空には黒い雲が広がっている。北朝鮮は何発のミサイルを日本海に撃ち込めば気が済むの…

春を待つ 

春を待つ (1) 里山に雪が降る 細い糸が 樹々に吸い込まれてゆく いくら降っても もう山々を白くすることはないだろう あの時―、 言葉は何の意味も持たなかった (2) 一年を通しておおむね濃密な樹林に覆われているこの山並みも、晩秋から初冬へかけての…

 また山に入る

また山に入る 無為に毎日を過ごしている訳ではあるまい。目の前に刻々と変化する日本の政治、大きなうねりとなろうとする世界の動きがある。多少の教養人であることを自負する身であれば、これらのことに無関心であることはできない。かと言って、巨大な国を…

「・・・と思っていて」は変だと「思っていて」

「・・・と思っていて」は変だと「思っていて」 「・・・と思っています。」と断定せずに、「・・・と思っていて、・・・」という表現が始まったのはいつからだろうか。初めてこの表現と出会ったのは、今から七年前、安保法制反対で国会周辺を幾重にも取り巻いた「S…

ワックスがけとマイナンバーカード

ワックスがけとマイナンバーカード 先日、家のフローリングのワックスがけをした。妻の指示の元、朝から午後3時前くらいまでかかった。以前は年に2回、5月の連休と12月に行っていた。家も住人も、くたびれてきて、年1回となった。 最初に、1階の椅子…

落ち葉の尾根

落ち葉の尾根 頂上へ、その稜線へとつながる尾根は緩やかで、目にも心にも安らぎを与えてくれる空間だった。人の世が奸知と喧噪にまみれているので、鳥や小さな獣たちしか住まないこの緑の世界は、訪れる者を優しい気持ちにしてくれるのかもしれない。人間の…

侏儒の呟き(8)

侏儒の呟き(8) ○「共に学問の奥義を究めながら、Aは事実に蓋をする者、Bは公に危険を知らしめる者。斑目春樹と小出弘章。」このような文章をおよそ10年前に書いた記憶がある。福島原発が壊滅状態となり、今後の原子力政策をどうすべきか、日本国中に…

一瞬の天体ショー・・・宇宙の歴史138億年

一瞬の天体ショー・・・宇宙の歴史138億年 11月8日は皆既月食だった。今回は442年ぶりの惑星食だそうで、テレビでも新聞でも、えらく盛り上がっていた。「天王星の惑星食」は弥生時代以来だと言う。宇宙空間と時間との関係に思いを馳せた。 夕食後…

秋づくし

秋づくし 今朝10時過ぎに玄関のチャイムが鳴り、檀那寺の若住職が立っていた。えーっ、屋根・壁の塗装をしている最中なので「今月の命日はお寺での回向をお願いします」とSMSでお願いし「了解」をいただいていたのに(^_^;)!・・・折角おいでいただいたので、…

秋はそぞろに……

秋はそぞろに…… 本当はもっと豊かに過ごしたいのです。とらうとさんが紹介してくれたように、「まなこを閉じて想いみる」べき秋がそこにあるのですから。柔らかな光、青く澄んだ空、日に日にしゃれた造形で遊ぶ白い雲たち。その後には、ばら色とも茜色とも呼…

やっと「秋」がやってきた

やっと「秋」がやってきた 「馬追虫(うまおい)の髭のそよろに来る秋はまなこを閉じて想ひみるべし」(長塚節) 馬追の髭、繊細な髭を「そよ」と動かすように秘やかに秋はやってくるものです。目を閉じて秋の気配を感じ取るという歌は、この国で古来多く詠…

言葉は変わるものだと言うけれど

言葉は変わるものだと言うけれど 新聞によると、2021年度の国語世論調査で「 走るのがすごく速い」を「すごい速い」と言う人は59.0% とあった。また、他人が「すごい」 を使うのが気にならない人が79.2%だそうだ。 私は使っていないつもりだが、 他人が言…

侏儒の呟き(6)~夏のつぶやき、あれこれ~

侏儒の呟き(6)~夏のつぶやき、あれこれ~ ○対話、交渉、その他緊張を緩和する道はいくつかあろうが、成功しなければそれは大抵相手への非難で終わる。対立が深まり攻撃が正当化される。平時なら理性のもとに抑えられているものが、戦時になると途端に頭…

夢のその先は……(その1)

夢のその先は……(その1) (1) 夢を忘れてはいけない。夢は常に見続けていなければならない。そう思ってまた山に入るのである。だがなぜか、春の山は人を容易に夢想の世界に遊ばせてくれない。うつらうつらして、眠気があるのに深い眠りに入れない。何だ…