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最低賃金に思う その2

最低賃金に思う その2

 7月16日、中央最低賃金審議会は、全国一律に28円の引き上げを答申した。
 私は、前回の投稿で、引き上げ幅と全国一律という点について望ましい変化だと述べるとともに、政府主導の変化であることに懸念を示した。
 今回は、懸念の内容をもう少し書こうとおもう。
 本来、賃金をはじめとする労働条件は、最低の基準(最賃法や労基法等)を下回ってはならないという条件のもと、労使対等の立場における合意によって決められるべきもの(労使自治)である。
 最賃も、労働者代表委員と使用者代表委員の両者の合意で決めるのが原則だ。どうしても合意が得られない時に限って公益委員の見解が示され、それが政府への答申内容となる。公益委員は、政府から推薦・任命された有識者であるから、ここに、政府の意向が入り込む。
 審議会審議だけで、労働者側の望む額での合意が得られるわけでない。労働組合による、日頃の社内最賃や業界最賃引き上げ運動が背景にあってこそ、労働者のいう引き上げ額に近づくのだ。しかし、今、労働組合にこの運動は殆どなく、「政府の意向」に助けられている情けない状況だ。

 最近知ったが、北欧3国の労働組合は、労使自治の原則に反するという理由で法定最低賃金(EU指令)に反対しているそうだ。労使自治を守ることは、高い高い組織率を維持してきた労働組合の矜持だというわけだ。
 
 労使自治の原則さえ十分に適用されない公務員出身の私は、この北欧労働組合の話に、ただただうなってしまう。

 

        教育ネットワークユニオン 岩本

 

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