薩川益明という方を知ってますか?
朝日新聞、「折々のことば」で紹介されていた。
自由とはもっときっぱりしたものだ
たとえば
実を傾けて風に唄うむら竹の肌のように
戻ってくる牛たちの大きな瞳のように
薩川益明
「詩の中に目覚める日本」(真壁仁編)にあるとのこと。「この本、本立てのどこかになあったな。」「学級通信に引用してたな。」「「便所掃除のうた」もあったな。」と、「でも1970年代に買ったので、探しきれないや。」と思い、結局、「シルクロードのMさん」の「知る苦労」をしないネットで検索。
▶ 【分かったこと】 薩川益明さんは高校化学を担当(札幌西高校などに勤務)し、詩人。北海道長万部に住んでおられ、2017年に亡くなられている。
▶次の歌詞にも行き当たった。
自由についてのうた 薩川益明 作詞 中川五郎 作曲
炸裂する黄リンはたしかに熱い
ただれた皮膚の下を苦しく流れる鮮血よりも
銃弾はたしかに硬い
黒い髪の毛の垂れかかる額よりも
毒ガスはしみこむいのちにしめったからだの奥深く
とても陰気に
しかしどんなものが拒み得よう
トンキン湾の朝焼けを
押し寄せる押し寄せるしょっぱい波を
硬いヘルメットの下の硬い観念
囚われの身のひとつの言葉「自由」
鮫の住む海を越えて来る重装備した「自由」
他国の緑をうなだれた褐色に染めあげる「自由」
ガスマスクをつけた息苦しい「自由」
ああ自由とはもっときっぱりしたものだ
たとえば
実を傾けて風に唄う竹の肌のように
戻ってくる牛たちの大きな瞳のように
おまえ ベトナム
ナパームやガソリンでもえている歴史の顔は
火傷の痛みに耐えている
ぼくの自由よ
▶感動と満足感。「折々のことば」の鷲田清一さんありがとうございます。