熊本教育ネットワークユニオン

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クリス・アンダーソン『MAKERS』を読む

クリス・アンダーソン『MAKERS』を読む

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 現在は「第4次産業革命」(Industry4.0)の時代だと言われている。Industry4.0、モノのインターネット(IoT)を例に挙げられるが、製造業(メーカー)では大容量のデータをもとに、コンピュータで駆使し自動化を進める時代。

 Industry4.0はその名の通りInduustry 3(第3次産業革命)の後にやってきている。第3次産業革命は「情報革命」である。実はモノづくりの国である日本はこの第3次産業革命にうまく対応しきれなかったと言われる。世界一と言われた半導体の生産がその象徴である。また、強いと言われる自動車産業も自動運転では米国・中国に水を開けれれている。数週間前に中国のドローン開発の現場をテレビで放映していたが中国の科学技術の進展には驚かされる。廉価版の測定器(テスターのような)があまり性能もよくなく「安かろう悪かろう」と思っていたが全く違う。

    日本における第3次産業革命への対応の失敗が、労働配分率の低下をまねいている。労働者の賃金は上がらず、さらには非正規雇用の増大へ導いている。教育・学問の軽視がさらに拍車をかける。さながら各国間の産業競争は「赤の女王」的である。

 では第4次産業革命の時代はどんな時代だろうか、往々にしてその最中(さなか)にある者にはそれが見えない。この本『MAKERS』は著者の個人体験を語りながら時代の本質を説明するものだった。

 「資本主義の時代は生産手段は資本家の手にある」という命題さえも、Industry4.0 の時代には揺らぐ。物質の世界(アトムの世界)がデザインの世界(ビットの世界)に主導されていくる。このビットの世界を使えばだれでも「デザイナー」になれる時代だという。そこに重要な働きをするのが、「3Dプリンタ」だ。小さなマイコンと「3Dプリンタ」で新しい産業が生まれる時代だと言う。それをクリス・アンダーソンはやってのける。

 そういえば、海外で3Dプリンタで1棟40万円以下の住宅をつくる話を聞いたことがある。そうなれば建築業界に多大な影響をもたらすに違いない。自動車産業も大きく変わりつつある。住宅も自動車も箱(フレーム)作りよりも機能をIoTとして競う時代なのか。「スマートフォンがいわゆる“ガラケー”をディスラプト(破壊的な勢いで業界から駆逐すること)しました。“デジカメ”がフィルムカメラをディスラプトしたのも私たちは目撃しています。これらと同じことがクルマにも起きる可能性があります」(マイクロソフト コーポレーションの自動車産業担当ディレクターである江嵜 智行 氏)。

業界の雇用問題等を考えると「エンジンはモーターに取って変われるような存在ではない。エンジンでなければ!」という主張には期待したいのだが・・・・。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20190523-00126910

https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/20/microsoft0924/vol1/

      (つづく)

ー紙面と時間の都合で駄文になったが皆さん一度お読みになったらいかがでしょうか。購入は中古で買うが安い。近くの方にはお貸しします。ー

(Kob)