倉庫から出てきた「沖縄に関する講演の記録」④
25年前に、高教組菊鹿地区本部が主催する夏の地区教育研究集会で石川眞昭(安仁屋眞昭)さんを講師に迎え講演していただいた記録である。記録を残し石川様に印刷の許可を得る作業中に本当に「お蔵入り」してしまっていた。このブログを借り何回かに分け掲載したい。尚、テープをおこした文章であり、これ関する責任は編集者にある。
熊本高教組菊鹿地区本部の教育研究集会
講演 九州芸術工科大学(当時) 石川眞昭(安仁屋眞昭)さん
現在は宜野湾市におすまいです。
【琉歌 (その1)】
日本には和歌・短歌がありますが、沖縄には琉歌がございます。この琉歌は八八八六という定型の歌になっております。皆さん三線にあわせる沖縄の音楽を聞かれると思います。非常にテンポのゆるい曲、軽快な曲とありますが、その歌詞はほとんど八八八六という定型の詩に乗って唄われております。おもろは、それ以前のおもろは不定形で語数が定一ではありません。
資料の中の琉歌は、沖縄県の今のおもいと言うことで紹介しています。「四海波立てィてィ硯水(シジリミジ)なちん 思事(ウムタイヤ)やあまた 書ちん足らん」ということでございます。この歌も八八八六になっております。1609年薩摩が琉球に入っておりますが、この歌は1734年、時の権力に抗する思想の持ち主という理由で処刑をされた政治家であり文学者でもある平敷屋朝敏(へしきやちょうびん)の歌です。ちょっと音律をつけてみましょう。----(歌)----- 沖縄の古典劇「うみうりちゅ」の中で、こういう口調で唱われています。「四方の海の水を硯の水にして、書いても書いても、思うことがたくさんあり、書き尽くせるものではない」という意味です。平敷屋朝敏は権力者に処刑されながら、こういう歌を歌ったそうです。一昨年9月4日の少女の事件があり、そして太田知事が県民の財産を守ろうとして代理署名を拒否して、そのあげくの果てに、社会党連立内閣の村山首相が県知事を訴えた。私は、県知事を被告にしたことを県民にたくさんのおもいがあると、その思いにたとえてこの歌をあげました。平敷屋朝敏と同じ様な思い、権力者の前に私たちが選んだ知事が被告席に座らされたという悲しい思いがあるわけです。
(つづく) 次回は【琉歌 その2】です。
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