熊本教育ネットワークユニオン

活動の報告と相談の窓口です。またブログ担当者の学習の跡でもあります。過去の記事をご覧になるときは下のメニュー欄をクリックください

MENU

アニサキス

日本の食中毒は、件数ではウイルスや細菌より寄生虫が多い(人数では寄生虫は感染しないのですくない)。寄生虫の中でも圧倒的に多いのがアニサキスである。私も10年ほど前、釣った魚で自ら刺身を作り、胃壁をかまれ「おおごと」した経験がある。

 

アニサキスを探すという実験(高校の「食品衛生実験」)を実施したので報告したい。

1 実験書

3年食品衛生・栄養実験                    No

アニサキス

 サバ等の海産物の内臓から寄生虫の「アニサキス」を取り出し、観察をする。サバの場合は頭を取り、内臓を傷つけないように取り出してから腹開きにし、腹骨の内側や筋肉部分に食い込んでいるアニサキスを探す。紫外線を使うと検出しやすい場合がある。

 1 準備物

(1)材料  サバ(鯖)

スルメイカ

(2)器具・道具

まな板(クラスに1個)

包丁(クラスに1個)

アルミ製角バット(大)(クラスに1個)

紫外線照射装置

アルミ製角バット

ピンセット

顕微鏡(必要な時)

メモリ(㎜)付き定規(物差し)

2 検査手順

(1)サバの場合は頭を取り、内臓を傷つけないように取り出してから腹開きにして材料を作る。

(2)各人が、アニサキスを探す。ブラックライト(紫外線ライト)を使うと探しやすい。

(3)発見した場合スケッチを行う。

その際、材料の縦・横を記載するまた、アニサキスの長さ(推定)も書く。

3 結果と考察 まとめる

 結果(スケッチも含む)

 

2 実験後のこと

質問に答えて(・(前半)が意見または質問、➡以下が私の回答)

ブルーライトで照らすと意外とアニサキスがいて驚きました。

➡ 紫外線を照射すると蛍光を発するのは、リポフスチンという物質。この現象の発見は1970年、カナダの水産学関係の雑誌にあります。今では食品関係者が良く使います。

 

・多くは内臓に生息しているんだなと思った。

➡ アニサキスは長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。(以上は厚生労働省Websiteから)

 内臓に多いということはまだ(冷凍まで)新しい(うちに冷凍(動けなくなる)ともいえるのでしょう。

 

・実際はくるくるしたものが多かった➡

  (👆東京保健医療局のWebsiteから)     

       https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/musi/01.html

 

・家で魚を食べるとき注意したいです。➡ アニサキスによる食中毒の予防方法は?(厚生労働省Website によると)

 ◆ 魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。また、丸ごと1匹で購入した際 は、速やかに内臓を取り除いてください。

 ◆ 内臓を生で食べないでください。

 ◆ 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。

 ※ 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。とあります。

 ◆ 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。」とありますが、なかなか発見しづらいので「紫外線ライト」があれば発見がやや容易ですね。ただし、そう安くはない。LEDだけだと安い。工作ができる人は作ってみるのも良いでしょう。

 

・最近の話題 ➡ 熊本大学の産業ナノマテリアル研究所ではパルスパワーという瞬間的巨大電力(1億ワット?)でアニサキを瞬時に殺してしまう技術を開発したということ。これがあれば安心して刺身が食べられるが、この装置はおそらく高価で危険も伴う。しかし、面白い研究だと思う。他の寄生虫にも使えるのではないか。もっとも、死んだとしてもアレルギーなどの心配は残るという。(参考:サイエンスポータル https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/clip/20240306_g01/ )

 

3 写真等

 

4 参考

https://www.facebook.com/KOBAYASHITosio/