地下指令部をつくると?
テニスはポイントを重ね4ポイントとったほうが、そのゲームを勝つ。ポイントを0、1、2と数えるのでなく、いきなり15と言い、30、40とあがっていくのは何故かわからないが、慣例にしたがってポイントをコールする。
ポイントの取り方は①はやいボールを打ち相手が、返せない②相手の打ちにくいところにボールを返し相手が返せない③ひたすら返球し、相手が疲れてミスをする。
ということを考えている。こうしてポイントをとるのが楽しいのだ。私は、早いボールを打てなくそれを目指しているが、いまはとにかく返すという③だと思う。
高校時代テニス部で鍛えた田山君が30歳台で参加しているわがクラブは、80歳もいるが、70歳代が多い高齢者健康サークルである。
田山くんは言う。「サーブアンドボレー(サーブをうったあと、すぐ前に走り出てネット近くに位置しプレーする)は基本的には有利だと思います。が人とか場合によることがあります。ネツトプレーがうまいことも必要です。田前さんが、ネットプレーが、上手くないということではなく、場合によって、ネット近くに位置するより、バックライン近くがいいという場合があると思います」若いが、結構配慮あるアドバイスしてくれる。解説もやぼではあるが、田山くんは、「田前さんが、上手くないということではなく」と、こちらが傷つかないようにさりげなく言葉を増やしている。だが結論はまだ出ない。
「田前さんのラケットのにぎりは薄いので、テイクバックのときはラケットを立てて、振りを大きくすることで、ボールにより多くエネルギーを伝えられ早いボールを打てるようになります」とのアドバイスも受けた。①にかかわること。そして今日は一緒にペアを組み1対4で負けた。彼は地面をにらみながら「悔しい」とつぶやく。残念さがこちらにも伝わってくる。ペアであったがゆえに、負けの責任がこちらもあるのだ。ついに「田前さんは、ネット近くで、きちんと決めるプレーが、できるといいですね」と、田山くんは言った。本当に悔しいのだ。その負けゲームは、ペアの私のプレーにも関わること。ポイントとるチャンスのときは、決めてちゃんとポイントとれよ、と言いたくなるのは自分だって同じ。田山くんは、ついその悔しさを私にぶつけたのだと思う。だがそれでも、穏やかで怒りは押さえて非難ではなかった。それでも、私に不快な思いをさせたという、悔恨をもって。
「ネット近くでプレーする並行陣が有利だから、やはり二人とも前にでるようにしたがいい」、と強調される話しにうなずく私であり、「田前さんもやはり前に出たがよかですね」と言う人も。「そうですね」賛同する私。
プレー終わり、ストレッチをして、身体をメンテナンスして(蛇足ではあるが、このプレー後のストレッチは有効である。プレーして身体のあちこちに疲労がたまっているその時こそ、ストレッチで疲労を流す絶好のチャンス。だが、このプレー後のストレッチをやる人は、あまり見えない。)
駐車場への道すがら、田山くんは言う。「田前さんは、ベースライン付近での動きがいいです。」いいことを言ってくれるなあ。「ネット近くでプレーするのは相手に早いボールを返せるので、有利になります。」「でも、ネットプレー(ボレーやフマッシュ)がうまくないとせっかくの、チャンスボールが決められません。なので、全てネットプレーがいいというのでなく、そうでない場合もあります。」「田前さんが、ネットプレーが上手くないと、言ってるのではありません」これで、先に言った田山くんの、悔恨を思う。「田前さんは、とにかく動いてボールをとらえる粘りのプレーが、いいです。」私も、早いボールはうてないが、とにかくきたボールを相手に打ち返すことだけはできると思っている。③にかかわること。「そのよさを生かして、ネットプレーもするようにしたがいいです。ネットプレーに固執して、ベースラインでのプレーをしないと、それを殺すことになるのでは、もったいないです。」「ベースラインでのよさを活かして、ネットプレーも活かすようになったがいいです。」「どちらか片方を殺すのでなく、どちらも活かせるプレーがいいですよね。」との結論がきた。
①に関して「フリーハンドの左手を出して身体をひねることで、ボールにパワーが伝わります」と言うのも忘れないようにしたい。
「正々堂々と戦います」という宣誓もかなり聞いているが、②はそれに反している。正々堂々とは、逃げも隠れもせず、真っ正面から相手にボールを打ち返すということなのか。とすれば、相手の打ちにくいところに、ボールを落とすとか、右に打ったり左にうったり、右に打つと見せかけて左に打つというのは、卑怯かなと思いもするが、「正々堂々と、相手の打ちにくいように打ちます」と言えば、成り立つのかなあ。
とは言え、「地下指令部をつくる」のは、ミサイルが飛んで来ることを想定しているからである。抑止力という言葉が通用するのは、相手の攻撃をさせない。攻撃を抑止するという意味なのに、ミサイルが飛んでくることを想定して地下室をつくるなんて、サギがばれてるような。
(たまえ)






