熊本教育ネットワークユニオン

活動の報告と相談の窓口です。またブログ担当者の学習の跡でもあります。過去の記事をご覧になるときは下のメニュー欄をクリックください

MENU

たった3グラムもとれない

たった3グラムもとれない


 880000000グラムのうち3グラムも取れずに失敗。東京電力福島第一原発で、溶け落ちた核燃料を取り出す作業をした。それが失敗し、0グラム取り出した。恥さらしであるが、取り出せなかったのである。この失敗を恥と思わないであろうには、理由があるのかもしれない。それは、自社ゴミを海に捨てても許されるかのごとく助ける自公政権の存在があるからではないか。
 2011年3月11日おきた地震の際、壊れた原発から溶け落ちたデブリという燃えカスを取り出そうというのである。13年も前に捨てられたゴミを今ごろになって拾おうとするのも間抜けだが、たった3グラムを取り出すのに失敗と。その約300000000倍のゴミを取らないといけないのである。
 朝日新聞の社説によると、1979年に事故を起こした米スリーマイル島原発原子力圧力容器の底にたまった約130トンのデブリの大半を90年までにとりだした。その後も管理を続け廃炉完了は事故の58年後の2037年ごろの見通しだ、と。130トンの約6倍880トンを東京電力は取り出さないといけないのである。仮に58年後とすると2069年に廃炉が完了するのは、今から45年後。いやぁ東京電力の経営者はさぞや長寿であろうか。それとも自社ゴミを取り出すこともできないあと任せの無能力かまたは無責任であろうか。今回の失敗は、内部にはいりこませる部品の順序が違っていたというおそまつすぎるものらしい。これは無責任に無能力が上乗せされたようでもある。
 同日の「読者の声」の投書によると、テレビ放送で廃炉作業現場の知り、衝撃だったと。被曝を抑えるよう時間制限がある危険の中で、気温30度を越える中、防護服にマスクをつけて、隙間のないようにテープでぐるぐる巻きに固く締める。放射線の影響を防ぐため、外気を取りいれる送風機つきの作業着は着られない。そんな危険な過酷な労働をしている人が、いるようだ。その放送を見てない自分と、多くの人は知らないことであろう。
 とりわけ被曝の危険が高い燃えカス(デブリ)取り出しは、なんとかロボットにさせようと今回は試みたようである。わずか3グラムを。その順番のミスは、東電から実施する下請けへの連絡が伝わってないことから起こったらしく、杜撰というのかあきれるが、怖いことでもある。被曝というのは死の危険があるだろう。ロボットとはいえ、どれほどの、慎重さが求められるか。原発は人間の手におえるものでないと示しているように思われる。

(A.M.)
 
[画像 124.png]