おー!富士山
身体が動くうちにと思い、旅行会社のツアーに何回か参加してきた。今回、羽田空港に各地から集合した参加者は42名。例によって皆年配者のようだ。福岡と熊本からが多かったが、松山や秋田からの方などもいた。
初日は雨。バスで曲がりくねった山道を通って、南が海で他の三方が山に囲まれた鎌倉に入った。バスガイドさんによると、これが「切り通し」のうちの一つだとのこと。
鶴岡八幡宮も鎌倉大仏も傘を差しながらの見学だった。八幡宮の参道である若宮大路中央に延びる車道より一段高い「段葛」を通ってから、「小町通り」を歩いた。途中、駐車場の料金表示に1時間2000円とあってビックリした。どこも人が多いが、これでも雨のため普段より少ないそうだ。どこも外国人だらけ。
高徳院の大仏は屋外で台座も低いせいか、そんなに大きくは感じない。50円で胎内拝観ということでに入ってみた。次々に人が階段を上ってきて、すぐに一杯。すれ違いもできない狭い階段が一つしかないので、なかなか下りられなかった。
ホテルも外国人客が多い。食事会場で従業員が懸命に日本語で案内をしているが、通じているのだろうか。
翌日、河口湖畔の公園にいるとき、雲の合間から富士山が突然顔を出した。日本人も外国人も歓声を上げた。頂上付近に雪が残る富士はなんだか神々しい。一斉に写真撮影である。
ハーブ庭園に寄ったときには、富士山が裾野までその姿を現した。外国人などのマナー問題で黒幕を張ることになったコンビニはこの近くにあるそうだ。ガイドさんや添乗員さんの話によると、富士山が姿を現す日は多くないそうだ。特に6月は、ほとんど現れないという。
富士スバルラインで富士山五合目に向かった。自転車が何台も上っていく。五合目では、雲一つない富士山頂が眼前に広がっている。寒くもなく、観光客で一杯。様々な国の言葉が飛び交っていた。
水道が無いので、トラックで毎日運んでいるとのこと。トイレ使用には協力金100円が必要で、ボタンを押したら洗浄のために泡が出てきた。途中に電柱がなかったので、自家発電のようだ。
吉田登山口には通行禁止と日本語と英語の立て札はあるが、ゲートらしきものは無い。管理センターの職員らしき人に尋ねたら、「5分くらい行ったら、山中湖が見える。入るのは自己責任で。」と言われた。しばらく歩くと眼下に山中湖。反対側の斜面には雪が残っていた。すぐに引き返したが、外国人も何人か入ってきていた。問題になっている弾丸登山なんてする人はいないのだろうか。
伊豆半島を南下した。浄蓮の滝や河津七滝は前日の雨の影響で水量が多い。伊豆の踊子像が二ヶ所ともにあったが、いずれも踊子と学生が並んだものであった。小説や歌謡曲にもある「天城越え」をしたことになる。
河津町には早咲きで花の色が濃桃色の「河津桜」の原木があり、川の両側が桜並木になっていた。南阿蘇のアスペクタに河津桜や陽光桜を観に行ったことがある。
下田のホテルには珍しく外国人客はいなかったようだが、外国人従業員は見かけた。伊豆半島の中央を北上し、箱根に向かった。バスから富士山が時々見えたので、箱根からの景色を期待した。
箱根では、芦ノ湖を湖畔と遊覧船から眺めた。箱根駅伝の往路ゴール・復路スタート地点にも行ってみたが、テレビで観たときより狭く感じた。
駒ヶ岳ロープウェイで上る途中で富士山が現れた。雲がたなびく姿が見えていたが、山頂に着いた直後に全く見えなくなった。二度と現れず、写真も撮れなかった。
大学時代に同級生が夏休みに富士の山小屋でアルバイトをしたと聞いたことを思い出した。随分昔に、富士山を新幹線からと飛行機から一瞬見たようにも思う。山頂まで登ることはないだろうが、その壮麗な姿を間近に観られただけでも何だか爽快な気持ちになれた。
(熊本教育ネットワークユニオン true myself)