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社会民主党から 支持労組あてに 「高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉決定について(談話)」が送られました

社会民主党から 支持労組あてに 「高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉決定について(談話)」が送られてきました

 

2016年12月21日

 

高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉決定について(談話)

 

 

社会民主党幹事長 又市征治

 

1.政府は本日午後、原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」をおよそ30年かけて廃炉にすることを正式に決定した。「もんじゅ」は、実用化されれば、原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、使った分の1.2倍のプルトニウムを生み出すことができ、資源の少ない日本にとってはエネルギーの自給率を向上させる「夢の原子炉」と持ち上げられ、建設費など総事業費には1兆円以上が投じられた。しかし、1995年12月8日のナトリウム漏洩火災事故以降、本格的稼働には至っておらず、停止した「もんじゅ」の維持に毎年200億円もの巨額の経費を要してきた。遅きに失したとはいえ、「もんじゅ」の廃炉は当然である。政府はこの期に及んで、「もんじゅ」は技術的に問題があったのではなく、保全体制や人材育成、関係者の責任関係などマネジメントに問題があったというが、20年以上稼働できなかった責任こそ真摯に検証すべきである。

 

2.政府は「もんじゅ」を廃炉にする一方、核燃料サイクル政策の推進を堅持するとともに、高速炉開発の次のステップである実証炉へ進むとしている。しかし、東京電力福島第一原発事故で「安全神話」は崩れ、事故に伴う廃炉費などが21兆円超に膨れ上がる見通しである。「もんじゅ」の反省もないまま、さらに天井の見えない負担が国民にのしかかることは認められない。高速増殖炉廃炉だが、高速炉は建設するといっても、看板の架け替えにすぎない。原型炉の「もんじゅ」がフル稼働もせず廃炉に至ったという現実を重く受け止めるべきであり、安全の根拠もなく次段階の実証炉に進むのは断じて認められない。

              

3.高速増殖炉計画は使用済み核燃料の再処理と表裏一体であり、政府は核燃料サイクル計画としてエネルギー基本計画の中核に位置づけてきた。まさに高速増殖炉もんじゅ」は、歴代の自民党政府が推進してきた原子力政策の根幹である核燃料サイクルの中核施設であり、「もんじゅ」の廃炉原子力政策の破たんを象徴的にあらわしている。高速増殖炉が破たんし、プルサーマルも進展しない状況の中で、日本は48トンにも増えたプルトニウムの利用計画さえ策定できずにいる。政府は核燃料サイクル政策に固執するのではなく、きっぱりと撤退を決断すべきである。また、「もんじゅ」を廃炉にすると、その燃料であるプルトニウムを取り出す再処理工場も必要なくなる。再処理工場の廃止も合わせて決断するよう求める。

 

4.今回の廃炉決定には、「もんじゅ」を「生け贄の羊」とすることによって、国民の原子力への信頼を取り戻し、原発再稼働やプルサーマルの推進、再処理工場の稼働への反発や批判をかわそうという思惑が感じられる。しかし、今回の「もんじゅ廃炉決定によって、政府が推進してきた原子力政策の論理は根底から崩れ去った。社民党は、原子力政策を抜本的に見直すよう強く求めるとともに、原発再稼働阻止・脱原発社会実現への取り組みを一層強化していく。

                                    以上