熊本教育ネットワークユニオン

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新聞小説「また会う日まで」

 最近、新聞小説「また会う日まで」(池澤夏樹朝日新聞)を面白く読んでいる。戦前戦中に海軍の水路部で天文、海図の製作などの仕事をした実在の人物である秋吉利雄少将を主人公にした小説。ほとんどが秋山氏の語りで構成されているようだ。残念ながら、私は新聞を購読した時期からの途中からの読者だ。

 調べてみると、作者 池澤さんは福永武彦の長男で、主人公の秋吉利雄は父方の祖母の兄にあたる実在の人物である。小説には岩手の友人から紹介された「Z項」とか、うちの奥さんが講演会のおり一緒にツーショットで収まっていただいた日野原重明さんとか登場するのにも興味深く読んでいる。

 秋山氏は海軍軍人でキリスト者である。日野原重明さん(医師)ともキリスト者としての信頼から相互の相談や意見交換をされる。厚い信仰心からの葛藤なども描かれる。また、家族の信頼とか絆も描かれ読者の心が豊かになる小説である。

 それにしても、現在450回を超えているこの新聞小説。ほとんど実話のようだが、よく記録が残っていたと思う。もちろん作者の聞き取り、親戚であるが故の資料入手が容易な部分はあるとは思うが細かい記述には驚く。私が父や母の歴史を書くとしても手がかりは少ない。

 現在小説は「終戦/敗戦」の所である。戦後の秋山氏の生きざまが興味深い。単行本が出版されたらぜひ最初から読んでみたいと思っている。

 

(補足)

 私の父の義兄(姉の夫)はやはり終戦を海軍少将で迎えたと聞く。海軍で砲兵学の先駆者であったらしい。私にとって義理の叔父に関する非売の回顧録が2冊あるが、戦前に英国で兵器研究をし、合間にはゴルフをしたりしている様子が描かれている。海軍の上層部は英国、米国の国力を十分知り得ていたというのにあの戦争に突入した事実は、軍や政府内のどのような力学により引き起こされたものか?疑問は尽きない。

(教育ネットワークユニオン kob)