熊本教育ネットワークユニオン

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仕事と妻を得ること

仕事と妻を得ること
 学生時代の友人と宮崎であつまることになり、南風号という高速バスに、のる。のんびりしてあたたかそうな名前がいいなあと思いつつ、ピーナツをつまみながらビール。北風号などあるのか、なんか寒くて外套が似合いそうだが、あまり乗りたくはないなとどうでもいいことを思う。
 少し前通過した人吉が初任の地だった。大学で落ちこぼれだった自分は、就職が課題だった。めしふろといれ以外は全て試験勉強という努力をした。この年求人がなぜか多いという幸運もプラスした。いやそちらが大だった。
 しかし、生徒に教えることができるのかという心配は若干あった。
 その心配は、教科書を読んで薄れていった。なんと高校の教科書のわかりやすいことか。これなら、先生はいなくても読んでいけば完全ではないか。なんとか前にすすめた。
 若かった当時の教え子は年が近く楽しく、下宿に遊びにきた。それは楽しいのだか、自分のやるべき勉強ができないのは、すこし困った。だが、彼らと登った市房山は、よかった。ビールもうまかった。球磨川支流にヤマメをつりにつれて行ってくれた生徒もいた。釣ったヤマメを川原で焼いて食べさせてくれた。
 同勤した英語の先生に結婚を申し込み、ことわるのを諦めさせるまで努力もした。
 「仕事と妻を得るときだけは死にものぐるいにならないといけない、」と、ある先生から言われた。(妻を得るなど、語弊はあるが)そのことはできたのではないかと思いながら、これから学生時代の思いでがよみがえるか、宮崎についた。

(ネットワークユニオン M )

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