熊本教育ネットワークユニオン

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杵島岳に結石とともに

杵島岳に結石とともに

 

 10月下旬、阿蘇杵島岳に登った。例によって、新聞の紹介記事を見た妻の発案である。阿蘇五岳の山頂に到達したのは、初めてだと思う。

 5・6年前の臨採の時、毎日校舎から根子岳高岳そして中岳の噴煙などを眺めていた。随分昔の断片的な記憶がある。小学校高学年のクラスで、担任の先生について南阿蘇の地獄・垂玉温泉から草千里まで歩いた。到着地を思い出せないが、登山自動車道が有料の頃、坊中の料金所の横を通って山道を登った。中岳の火口縁を歩いている人を噴煙越しに見たが、当時も立ち入り禁止だったのではないだろうか。

 草千里のすぐ北の展望デッキのところに車10台くらい駐められる。平日だが、空きが無かったので、しばらく待った。昔は反対側にも展望所があり駐車場があったが、今はガードレールで閉ざされている。草千里の有料駐車場には確実に駐められるだが、ついつい小市民感覚で節約してしまう。

 火山博物館や土産物店そしてレストランなどの前を通り過ぎて、駐車場の東端から40分ほどで頂上である。全部コンクリート舗装されて、勾配が急なところは階段状になっていた。道しるべがある分かれ道が2ヶ所あった。年を取っていることもあり、最後の坂はかなりきつかった。

 

 往路では、ガイドを先頭に10人くらいの年配の集団と擦れ違った。皆それなりの装備と服装であった。こちらは、散歩の服装と靴で帽子をかぶったくらい、少し恥ずかしい気もした。自然と挨拶を交わした。若いカップルが道の脇で弁当を広げている。振り返ると、遠く眼下に駐車場が見えて、我が車も見えそうである。

 頂上近くなると急に風が強くなる。風向きなのか、地形のせいか、急に寒さを感じる。眼下に噴煙を上げる中岳第一火口が広がる。火口縁を一周しようとしたが、無理せずに途中で引き返した。頂上とは別の火口縁の険しい峰に2人登っているのが見えた。あそこまでは行くのは、私たちには厳しそうである。

 復路で、年配の夫婦に横に見える険しい峰が頂上かと聞かれた。頂上は登ったら、その先にあると伝えた。

 草原には野草の花も見えるが、桔梗くらいしか分からなかった。領域は限られるが、道の両側にはススキ。熊本市内では見られるセイタカアワダチソウが無い。一頃の草地や道路脇を制覇しそうな勢いはどうしたのだろうか。先日、緑川の河原で白と黄の両者が陣地を取り合うように勢力争いをしている光景を見た。

 そんなに疲れていないと思っていたが、夜になって右太ももの内側がつった。左膝後ろのひかがみ辺りもつった。時々散歩しているくらいでは、寄る年波には抗えないのだろう。

 

  11月初めの午前2時頃に突然、右腰の背中側が痛くなり目が覚めた。背筋がつっている様な気もしたので、湿布を貼った。普通の腰痛とは違うようで、姿勢をどんなに変えても楽にならなかった。寝るのは辛くて、ずっと立っていた。そのうちに、右腹に違和感が出てきて、吐き気までしてきた。2時間以上ウロウロしたり、横になったりを繰り返した。明け方、ようやく横向きで少し眠ることができた。

 

 食欲もなく、朝食は摂らずに近くの総合病院に行った。受付で腰が痛いと言ったら、整形外科の先生に見てもらいましょうかと言われた。ただの腰痛とは違うようだと伝えて、質問表に症状などを記入した。診察室で、何か深刻な病気が分かるかもしれないとドキドキしながら、問診や触診を受けた。CT検査では、台の上で両腕を頭の上に組んで、装置の穴の中を往復した。病気での入院経験がないので、多分CT検査は初めてのような気がする。MRI検査は全く無い。画像には尿管結石が映っていた。2.6mmで、膀胱近くまで来ているそうだ。他方の腎臓には結石は無かった。

 授業で、シュウ酸は2価の弱酸でホウレン草などに多く含まれる(実際には水溶性のシュウ酸ナトリウムなどとして)とか、体内にできる結石の主成分は水に溶けにくいシュウ酸カルシウムなどと言っていた。まさか、自分が「石持ち」になるとは思ってもみなかった。尿検査での異常はほとんど無かった。酸性だと尿路結石ができやすいようだ。血液検査もしたが、結果は翌週に分かり、大体正常値であった。

 担当医がCT画像を説明してくれた。「膵臓を心配してました」と言ったら、「反対側です」と返された。他もおおむね異常は見られないようなので、ホッとした。結石を溶かして流す薬と痛み止めそれに胃腸薬をもらった。その日は、痛みと違和感があったが、翌日にはほとんど感じなくなった。水分を多めに摂り、毎食後薬を飲んだ。多分、結石は膀胱には着いたと思うが、溶けたのか体外に出たのかは分からない。

 

 杵島岳に登っていたときも、学校で授業をしていたときも、腎臓に結石があったことになる。いつかは分からないが、かなりの確率で痛みが出る時限爆弾みたいなものを体内に抱えていたことになる。インターネットで調べたら、私の症状は尿管結石の典型的なものであった。もう味わいたくはない。再発しないことを願うのみである。

 

(熊本教育ネットワークユニオン true myself)