熊本教育ネットワークユニオン

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「歌は世につれ、世は歌につれ」

 「歌は世につれ、世は歌につれ」

 

 柴犬「小太郎」との散歩は、朝も夕も懐中電灯が必要な季節になった。

 坪井川遊水公園の遊歩道だから、鼻歌も自由だ。先日、星空を見上げて、最近はオリオンも何も星座が見えないなあ・・・と歌い出した歌。

 

木枯らしとだえて 冴ゆる空より 

地上に降りしく 奇(くす)しき光よ

ものみな憩(いこ)える 静寂(しじま)の中に

 きらめき揺れつつ 星座は巡る

 

    歌っているうちに、明るい歌(長調)になってきた。何か間違えているなあと何度も繰り返すが、違う。帰宅して「Yahoo!」で調べると分かった。どうやらメロディ-を「星の世界」と混同したらしい。先ほどの歌は「冬の星座」で、「星の世界」は

 

かがやく夜空の 星の光よ まばたく数多(あまた)の 遠い世界よ

ふけゆく秋の夜よ 澄みわたる空 のぞめば不思議な ほしの世界よ

 

「星の世界」は賛美歌312番として、教会の結婚式で歌われるメロディーであって、調べてみると、この二つの曲は、音の流れも歌詞もよく似ている歌として知られているらしい。ちなみに先の「冬の星座」の二番は

 

ほのぼの明かりて 流るる銀河 

オリオン舞い立ち スバルはさざめく

無窮をゆびさす 北斗の針と 

きらめき揺れつつ 星座は巡る

 

「オリオン舞い立ち スバルはさざめく」という歌詞はいいなあ、と紹介した。

 

 散歩時によく口ずさむ歌ベスト3は「さくら(森山直太朗)」これは随分低く歌う(先日、中学校のクラス会3次会で♭(フラット)を4つ付けて歌ったがそれでも高音はまるで追いつかなかった。会話に夢中で誰も聴いていなくて拍手のハの字もなかった)が歌詞があっちに行きこっちに行く、「糸(中島みゆき)」これは「遠い空の下 二つの物語」の部分の音程がおぼつかない、「時代(中島みゆき)」これも歌詞が一番なのか二番なのか混じり合っているのか分からない。

 年を取ったせいか「川の流れのように美空ひばり)」の歌詞を「振り返れば遙か遠く 故郷が見える でこぼこ道や曲がりくねった道 地図さえない これもまた人生・・・」と口ずさむと、「もう71歳かあ」と感傷的になる。

 ときおり、昼間も在宅するときは一日に三度の散歩を目でせがむ。「ほら行くよ」と言うまで草むらの臭いをかぎ回る小太郎だけが、毎日、私の歌を聴き、何かを感じ取っている(らしい)ので、よろこんで「お散歩行くとね?」と尋ねると小太郎の目はきらきらと輝くのだ。

 

 なき父母が「最近の歌はいっちょん分からん」といっていたが、私も世の中について行けなくなっているようだ。歌は世につれ、世は歌につれ。

 

(Trout 2023.12.10