昨日(2016年12月23日)阿部広美さんの講演『憲法と社会保障ー自民党憲法草案の問題点を考えるー』(第2回社会民主主義セミナー 主催:社会民主党八代総支部・社会民主党熊本県連合 八代ハーモニーホール)をお聞きしました。
注目したスライド
阿部広美弁護士は日本の現状(憲法25条とかかわって)を説明する
資料で
「共働きになりながら所得を2割以上落とした社会」のタイトル、
スライド中に「この間世帯所得は20%近く減少、失われた貯蓄は
1,500万円」と記入してありました。
日本の社会の大変な状況を示すすぐれた資料と思いました。
原資料(独立行政法人 労働政策研究・研修機構のHP)から紹介します。
専業主婦世帯と共働き世帯
独立行政法人 労働政策研究・研修機構のHP (http://www.jil.go.jp/index.html)から
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html
資料出所
厚生労働省「厚生労働白書」、内閣府「男女共同参画白書」(いずれも平成26年版)、総務省「労働力調査(詳細集計)」(2002年以降)
注1:「専業主婦世帯」は、夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。
注2:「共働き世帯」は、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。
共働き世帯は1,114万世帯、専業主婦世帯は687万世帯となっています。
その次に『働いても貯蓄できない現実』といういタイトルで下のグラフが出されました。https://www.shiruporuto.jp/finance/chosa/yoron2016fut/hist.html
下のグラフは、講演時のグラフをブログ筆者が多分同様の操作で作られたとの推測から私(ブログ筆者)が作成しました。(家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯 ... - 金融広報中央委員会 から作成)
二つのグラフから、
10090年代から共働きに世帯が増え1995年ごろ専業主婦世代との逆転が起こり、今や共働き世帯は専業主婦世帯の1.6倍(百分率で62%(共):38%(専))となりながら所得は2割以上落としたとの説明です。そして、スライド中に「この間世帯所得は20%近く減少、失われた貯蓄は1,500万円」と記入してありました。
実によく日本社会の状況を説明する資料で納得させられました。
(注)同じ資料を1963年から原資料から作成してみました。
1960年代は貯蓄(金融資産保有)していないものが多いようです。やはり成長途上で日本全体が貧しかったようです。60年代から70年代にやっと貯蓄ができてきたのに・・・。というように見れます。