熊本教育ネットワークユニオン

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私の折々のことば⑥

霊の世界に貨幣は存在しない。お金はひとえに彼岸の物質的手段として、地上の人間が作り出したものなのだ。だからお金の問題は純粋に地上世界の案件で、そのあり方は人間自身が決定しなければならない。この課題に関するかぎり、天使は僕たちを助けることはできない。もっとも悪魔のほうは舌なめずりして、お手伝いしましょう、と割り込んでくるだろうが。       ―ミヒャエル・エンデハーメルンの死の舞踏」―

 「ハーメルンの死の舞踏」は、御存じの「ハーメルンの笛吹男」の話を下敷きにして、エンデが書いたオペラ台本です(1993年)。上の文は物語がすべて終了した後の子安美智子さんの「解説」の冒頭にあるエンデの文です(「ハーメルンの死の舞踏」(1993年6月1日第1刷、ミヒャエル・エンデ著、佐藤真理子子安美知子訳、朝日新聞社)。

 物語は、「お金」をめぐって展開します。富を一つ生み出す度に何か命が一つ失われる世界を作り出してしまったハーメルンの世界。悪魔はどんな手伝いをしてくるのか。だれもが不思議と思う貨幣(現代の株などはもっと不思議なんだが)の秘密に戯曲で迫る。

       (ネットワークユニオン Kob)