熊本教育ネットワークユニオン

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初めてのツアーは?

初めてのツアーは?

 

 毎月2回投稿して今回で50作目である。毎回題材を探して、綱渡りでどうにか書いてきた。内容や言葉も重なったものもあった。その度に自分の中身の乏しさを感じることになる。

 

 近畿地方以遠は車で行くのは無理だろうと、初めて新聞広告にあった2泊3日の国内ツアーに行ってきた。熊本空港と大阪伊丹空港を飛行機で往復した。

 1日目は熊本空港、大阪伊丹空港伊勢神宮・外宮から内宮、志摩のホテル。2日目は二見興玉神社夫婦岩関ヶ原で昼食、船で琵琶湖の竹生島(ちくぶしま)・宝厳寺、長浜のホテル。3日目は比叡山延暦寺(途中、坂本から延暦寺までケーブルカー)、昼食、伏見稲荷大社伊丹空港、熊本空港。

 車を3日間熊本空港近くの民間駐車場に車を駐めた。ターミナルビル前の駐車場料金はかなり高い。行きはターボプロップ旅客機であった。カナダ製プロペラ機ボンバルディアDHC8-Q400である。今は懐かしい国産YS11の後継機のようだ。速度は一般的なジェット旅客機より少し遅く、座席数も少ない。

 久しぶりに飛行機に乗ったが、伊丹空港に1時間15分ほどで着いた。福岡支店からの添乗員がおられた。空港で昼食後、鹿児島・長崎・大分からの人たちと合流した。熊本支店の企画で熊本からの客が多く大半が年配夫婦だった。1人や2・3人グループの年配女性もおられ総勢35名であった。移動は奈良の観光バスで、ベテランの運転手とバスガイドであった。特にガイドさんは私と同年代のように見えた。バスのトランクにはキャスター付きのキャリングケースが一杯。私たちだけがバッグだった。

 平日でも人出は多く、マスクをしている人は少ない。年配者だけでなく若い人も多くいる。教員だった習性なのか、つい仕事や学校は大丈夫なんだろうかと思ってしまう。添乗員さんに聞いたら、ツアー客数はコロナ前に戻ったそうだ。

 ホテルでテレビのニュースを見ていたら、学校を欠席しなかった子どもを表彰する「皆勤賞」を廃止する学校が増えているそうだ。就職や進学の面接練習で、皆勤賞は大きなアピールポイントとしていた。「社会の実情にそぐわない」と指摘もあり、廃止に至ったという。さらに、この動きを加速させたのが、新型コロナウイルスだった。学校も体調不良であれば、登校を控えなさいと言っていた。勤務していた学校もコロナ前より欠課の生徒がかなり増えた。

 学校を休むことの考え方が大きく変わる中、愛知県の公立の小中学校と高校などでラーケーションを導入するそうだ。ラーケーションとはlearning(学習)とvacation(休暇)を組み合わせた造語で、学校版有給休暇みたいなもの。保護者の平日休みに合わせて、子どもが学校を年間3日まで休める制度で、学校を休んで家族と旅行やテーマパークに出かけても、欠席扱いにならないという。

 30年くらい前、学校を休んで保護者と一緒に海外旅行に行くという生徒がいた。保護者とも面談して、私用で欠席としたことを覚えている。私が生徒のとき、理屈なしに学校は行かなければならないものと思っていた。教員になってあまり病気もしなかったので、私用の休みを取ったのは結婚の時くらいだったように思う。

 アンケートでも昔とは逆で、学校を休んで家族と旅行に行っても良いとする人がかなり多いそうだ。また教員だった感覚で、心理的なハードルが下がって欠席者が増えるのではないかと思ってしまう。学校や教科によって違うが、高校の観点別の新評価ではテストの割合がかなり下がり、授業プリント・レポート・リフレクション(ふりかえり)シートなどの提出物の割合が上がっていると思う。全教科になると、提出量が相当増えているのではないだろうか。不登校などの欠席が多い生徒は提出が滞りがちになって、旧評価より厳しい状況になってしまわないだろうか。

 

 1日目が小雨、2・3日目は晴れで、行程は順調だった。比叡山延暦寺は30年くらい前に修学旅行引率で行ったことがある。それ以外は初めてである。ベテランのガイドさんや添乗員さんの対応も良かった。

 外国人もよく見かけた。特に外国人の一番人気という伏見稲荷は土曜日だったせいもあるが、人の波だった。朱色の千本鳥居も混雑した。半分以上が外国人のように思った。真夏のような京都で、いろいろな言葉が飛び交い、様々な民族が行き交っていた。着物姿の人が多くいたが、ほとんどが外国人のようだった。

 

 今回のツアーは、30年以上前の修学旅行の寺社巡りみたいに思えてきた。バスの座席は毎日変わった。ドアに座席表の紙が貼ってあり、名前がカタカナで書いたあった。会場に集って食事をするのも修学旅行みたいである。

 今回は業者が割り当てを持っていたのだろうか、三重と滋賀の全国旅行支援が使えた。クーポンは2日間しか使えないので、宿泊したホテルの売店で土産を買った。どうにか大小2つのバッグに詰めることができた。修学旅行でも使う宅配は利用しなくて済んだ。

 帰りの航空便は、ボーイング737-800で座席数も多く飛行時間も少し短かったが、出発が15分ほど遅れた。一部の便の遅延が影響したのか、到着と出発が混雑したそうだ。昔のジェット旅客機は、727、747、トライスター、DC10など外見ですぐに分かったが、今はボーイングだろうがエアバスだろうがその機首が分かりにくい燃費向上と騒音減少のため主翼吊り下げ式のターボファンエンジンの双発で、多くが主翼の端が立った形状(ウィングレットといい、翼端渦の発生を低減効果があるそうだ)をしている。国内線就航の航空会社が増えたので、塗装も様々である。これまた昔は、JALANATDAくらいは見分けられた。

 

 ツアーは見学時間に余裕が無いという話を聞いていたが、今回はそんなことはなかった。それどころか待ち時間を長く感じた。竹生島では船の時間の関係があり、昼食場所でも出発までの時間を持て余した。九州各地から飛行機で集まってくるので、伊丹空港での待ち時間がこれまた長かった。特に帰りはバスで到着してから搭乗まで3時間以上待った。他県に帰る便は早かった。熊本へは2便に分かれていて、私たちの乗る便が最後だった。

 日程に余裕を取るために、ホテルの出発は8時だった。朝食が7時からなので、慌ただしかった。特に大きなホテルのバイキング形式の朝食では、10分前には長蛇の列ができて少々焦った。また、団体客の出発が重なって、エレベーターがなかなか来なくて混雑した。朝はもう少しゆっくりしたいものである。そう言えば、修学旅行の時も朝はドタバタしたように思う。

 

 ツアーは移動に神経を使わないのは楽だが、時間に追われたかと思えば、無駄な時間も多かった。遠いところに行くときは、鉄道や飛行機で行ってから、現地をレンタカーで移動しても良いなと思った。実際、観光地の駐車場にはナンバーのひらがな表記が「わ」のレンタカーをよく見かけた。大きなホテルより中小規模の宿泊施設の方が、食事や風呂も混まずリラックスできるようにも思う。それでも、またツアーの宣伝を見て出かけるかもしれない。

 

(熊本教育ネットワークユニオン true myself)

★編集者注 車のナンバープレートのことは、https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17249409 にも載ってます。