責任の取り方
「○○ちゃん(私の名前)はようその仕事辞めなくてよかったね。責任があるでしょう。」と言われた。衆議院議員選挙が熊本1区と熊本2区である中選挙区のころの話。組織内の国会議員議を当選させることができなくて、高教組の執行委員として休職専従をしていたころの話である。その言葉を発した私の叔父は「〇政連」(当時の政権党支持の有力組織)の事務方の仕事をしていた。大人が責任を取るということについて厳しい考えがあるものだと感じたものだった。
ところが、今の世界は「責任」という言葉が実に軽い。特に政治家。そして決まり文句は、「今の仕事をやり上げるのが責任の取り方」(???)という不思議な言い方。詭弁でしかない。
例のパワハラの兵庫県知事。県職労が知事に「辞職を含めた対応を求める」とは、よっぽどのことと思った。案の定、時間がたつにつれ、とんでもない独りよがりの知事であることがわかってきた。ここでも、「県政を立て直していくのが私の責任」???
自民党「裏金」問題を巡り、岸田首相(岸田総裁)「法改正など結果を出すことで、責任を果たしたい」???
林官房長官は、海上自衛隊の頻発する不祥事と対応のまずさに対して、木原防衛大臣の進退を問われ、「現在の安全保障環境は大変厳しく、わが国の防衛に一分の隙も許されない状況にある。木原大臣には防衛大臣の責任として強力なリーダーシップを発揮して防衛省・自衛隊の組織そのものを早急に立て直し、国民からの信頼回復に全力であたってもらいたい」といつものパターン。
当の木原防衛大臣も、着任後2か月後だからとか言い、責任問題は「私は引き続き、まだ、防衛省・自衛隊の体質改善、あるいは隊員一人一人の意識改革というのはこれからやらなきゃいけないことだと思っておりますから、私自身はそれが先ほど申し上げました、防衛省・自衛隊にとって何がベストな選択かということを考えた上でですね、行動していきたい」とか???
沖縄のアメリカ軍兵士が少女に性的暴行を加えたなどとして起訴された事件で、外務省から沖縄県への連絡が遅かったと指摘されていることについては驚くべき外務省の居直り。(報道官は、プライバシーに関わる事件で、慎重な対応が求められるとして、対応は適切だったと語った)。無責任を通り越して「犯罪的」。しかも政府の判断が沖縄県知事選前であることが影響しているならなおさら。
(小林敏夫)