熊本教育ネットワークユニオン

活動の報告と相談の窓口です。またブログ担当者の学習の跡でもあります。過去の記事をご覧になるときは下のメニュー欄をクリックください

MENU

緊急講座「総務省臨時非常勤あり方研究会報告書を読む」 報告『私見:総務省研究会のポイント』 ★連帯・杉並 安田真幸さん の報告

緊急講座「総務省臨時非常勤あり方研究会報告書を読む」

報告『私見:総務省研究会のポイント』      連帯・杉並 安田真幸さん

 

以下安田さんのレジュメの一部(抜書き)

 ※レジュメの抜書きで行間を読むのが困難かもしれませんが、参考になることも多くここに紹介します。

 

1 運動の積み重ねと判決に押されて、総務省は一時金など手当支給に道を開かざるを得ないところまで追い込まれてきた。

 今回の研究会報告書で「常勤職員と同様に給料及び手当の支給対象と見直すことについて、立法的な対応を検討すべきである」、「その上で、一般職非常勤職員の給与水準を継続的に改善していくことができるよう、検討すべきである」と踏み込んだのは評価できる。

 しかし、人事委員会勧告や共済組合加入、分限については触れず、「職務の内容や責任の程度は、任期の定めのない常勤職員とは異なる設定とすべき」など、「補助的業務」と「新たな任用論(≠更新)」を踏襲し「長期継続雇用」を否定する点において、「格差温存~雇用不安定」の姿勢を変更するには至っていない。

 

2 一定の処遇改善を示す一方で、総務省は私たちの運動を「地公法体制(秩序)」に押し込めるための総反抗に出ようとしていることがいっそう明らかになった。

 その手だてが「一般職化」推進による特別職の労働基本権剥奪であり、総務省通知で示された考え方を「研究会」が後押しをする形になっている。

 総務省の危機感の契機が、東京都消費生活者ユニオン(公共一般労組)と大阪教育合同労組の労働委員会闘争~最高裁判決であることを忘れてはならない。

 

3 個人的には「一般職化に対しては地公法全面適用の確認を求め、その回答を受けて判断する」と考えてきたが、総務省地公法全面適用を逃れる仕組みを作り出す方向が明らかになった以上、「労働基本権剥奪の一般職化」には反対の立場をとるのが適切であり、地公労法を適用させるなど労働基本権の確保に注力する必要があると考えている。

 

以下、研究会での安田さんの発言の要約を書きます。

 

1 研究会報告の3つの基本論理:雇用安定と均等待遇を阻むためのこじつけ

  ①「任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営」

  ② a)臨時・非常勤は「補助的・定型的」

    b)「本格的業務」の典型は「組織の管理運営事態に関する業務」や「権力的業務」

  ③ a)非常勤の任期は「最長1年」

    b)「新たな職に改めて任用」

2 一般職非常勤の「新たな仕組み」創出により差別を温存(①②③略)

3 労働法適用逃れ=労働基本権剥奪の(総務省の)狙い

  ①労働組合による団交から職員団体による交渉へ

  ②労働委員会を適用させない

  ③労働委員会(労組法の適用)を逃れたい理由

    形式論理よりも実態を重視する労働法の世界を忌避

    ・東京都・大阪府労働委員会で完敗 ・「毎年度ごとの任用」を論拠にした団交拒否に対して労働条件に関することは団交事項としなければならないとされたこと。 ・「雇用継続要求」が「義務的団交事項」と判断されたこと。 ・混合組合の団交権を認めなければならければならないこと。・特に、大阪府の団交拒否理由「会計年度を超えた継続的な任用、更新は法律上も認めておらず、常に新たな任用である」が労働委員会で退けられたこと」が大きい。

4 検討~評価を深めるべき論点

  特に、国と同様の制度への移行ということだが、国の制度がかなりいい加減

  財政措置

  研究会の3者協議の原則に立った、当事者組合の参加。

 

  • 重要な論点 労働基本権剥奪と「新たな任用論」

1 労働委員会を活用した到達点

① 大阪教育労働労組「継続雇用要求は義務的団交事項!‼」

 ★中央労働委員会命令―高裁判決―最高裁判決で確定

最高裁判決の意義

 ・これまでの自治体非常勤職員の裁判は「任用論」の壁により、ことごとく敗訴に追い込まれてきた。

 ・しかし、形式よりも実態を重んじる労働法の世界では「任用論」をンり超えることが可能であることが証明された。

 ・総務省が一般職化を頑なに進めようとするのは「任用論」が労働法の世界で覆されることを抑え込みたいためである。

2 職の性格付け(臨時適職or恒常的職)が大原則

3 既に破綻している「新たな任用論」

4 「任期の更新と再度の任用は異なる概念である」!?

 以上