不祥事に思う(1)
我が家では新聞をとっていない。ほかに「読まない」定期購読紙誌はたくさん取っているのだが・・・。新聞をとってないので世間のことを知らないで過ごしてしまうこともちょくちょくある。
「高校教諭の不祥事相次ぐ 県教育委員会が校長を集め緊急の会議」https://www3.nhk.or.jp › lnews › Kumamoto
県立高校教諭の逮捕を受け臨時校長会 教育長 ... - YouTubehttps://www.youtube.com › watch
熊本県の教育界にこんなことがおこっていたのか? 知らなかった。
調べていくと「不祥事防止テキスト(令和4年3月改訂)」(https://www.pref.kumamoto.jp/site/kyouiku/136342.html)や「わいせつ防止研修テキスト(令和4年3月)」(https://www.pref.kumamoto.jp/site/kyouiku/136341.html)があるということだ。その中にいみじくも次のことが書かれている。
県教委上層部が大変な努力をしていることが窺い知れる。「他人事とせず、我がことと・・」との声も聞こえる。また、心理学からのアプローチでストレスの解消についても言及がある。そんな努力をしても、県が数年前に県教育功労(優秀教職員)表彰を行った者の中から逮捕者を出してしまった。このことは「結果責任」をとることが必要だと思うのだがそのことについてはここでは言及しまい。
次の論文はきわめて重要なことを含んでいる。その論文は、吉田道雄「教職員の不祥事に対する教職員の認識」アンケート調査による分析(熊本大学教育実践研究第36号,19-23,2019)である。論文はそのまま検索すれば閲覧できる(また、本ブログ末でのクリックで閲覧できる)ので興味ある方は読んでいただきたい。100名以上の現場教師等からのアンケートであり、県教委や学校(学校長)が行った調査とは異なるものでより忖度ない記述とより本音に近い意見が反映している。
例えば、不祥事の処分を受けた教職員を知っているものに、「その職員が処分を受けたことについて、あなたは」との設問に、まったく信じられなかったが46人(62.2%)、そんなこともあるかもしれないと思ったが28人(37.8%)。つまり「やっぱりと思った」者が1/3を超えている。そのほか現場教職員は不祥事の芽あるいは不祥事そのものを職場で問題にしている(53.2%)。そして「対応」もしているが、「問題にならなかったのはどうしてだと思いますか」の記述式で以下の回答がある。
・管理職によるものだから
・上のものが他に知られたくなかったから
・見て見ぬふりをした
・校長・教頭に言っても指導がなかった。
・管理職の耳に入らなかった
・管理職が指導をした。
このブログの筆者自身は管理職からいろいろ言われるのは少なかったが、(私に対しても)いらだってパワハラまがいの(当時パワハラという言葉(だから概念)はなかったが)高圧的な対応をとろうとした校長が2人はいたのを思い出し、さもありなんという回答である。
そのような現場の実態の中「わがこと」ととらえる必要があるのは、県教委と管理職であり、多くの教職員にとっては「迷惑」としか映っていないのだろう。
( つづく )( 小林:中身が中身だけに実名を書きます )
参考 (下を「Ctrlキーを押しながらクリック」すると論文が読めます)