一年半で五つも培養しました
なぜか、ぼんやりと意識が戻ると「五つありますから、別の日にしてもいいです。どうしますか?」と尋ねる声が遠くから聞こえた。ボーッとしながら「いや、しばらく忙しいですから、全部済ませてください」と答えたようだ。すると「解りました。じゃあ」の後、再び深い眠りに落ちた。
目が覚めると壁の時計が(午後)1時45分を指している。「ちょうど1時間眠っておられましたよ。気分は如何ですか」と看護師に言われて、考えてみた。12時前に点滴に麻酔が入ったから、切除に45分、麻酔から覚めるまで1時間ほどかかったことになる。なるほど、いつもなら周囲のベッドに何人もいるはずの検査後の患者が、今日はほとんどいない。取り残されたように爆睡していたらしい。
年の初め、1月5日にH胃腸科医院で問診を受け予約を入れた。2月9日以降なら空いているとのことだったので即予約。前日からの食事制限では朝も昼も食パンに牛乳、ヨーグルトにプリン。夜は6時過ぎに素うどんのみ。当日の朝はもちろん絶食で臨んだ大腸内視鏡。1年半前(2021年8月)に、胃も大腸も無事に内視鏡検査を終え、医師のアドバイス(胃は1年に一回、大腸は2年に一回)に従って、昨秋、胃カメラを飲み、今回の大腸内視鏡検査を受けたのだった。「きれいな大腸でしたよ」という診断を予想していたが、3ミリ、4ミリ、5ミリ、15ミリ、20ミリの五つのポリープが見つかったという。検査前に「ポリープが見つかった場合、検査時に摘出する」ことに「同意」していたが、個数が多いので(多分)麻酔から覚醒させて(これまで途中で目覚めた経験はないから)意向を確かめたのだろう。一日で済んだのはよかったが、大きめの二つはSSAPといって少し危ない可能性のある鋸歯の形状で組織検査に出し二週間後の結果待ちになった。切除のおかげで術後も食事制限となりその日の夕食は米一粒もない重湯と具なしスープのみ、出るモノも出なかった。
翌日は、めずらしく朝からずっと最悪の体調で、早朝の犬の散歩以外は、何をする気にもならない。どこが痛いわけでもないが、とにかくしゃべるのも億劫だった。ひょっとして切除後に出血でもしているのではないかと心配したが杞憂だった。翌夕方の、お粥と豆腐だけの味噌汁、鮭の塩焼き、アラの煮付けの旨かったこと。「空腹は最大のごちそうである」ことを痛感した。結局、体調最悪は空腹によるエネルギー不足が原因だったのだろう。
昨日は「2月11日を考える県民集会」(前岡山県弁護士会長の「家庭教育応援条例反対の闘い」・・・すばらしい講演だった)後の講師と実行委員会の「懇親会」を楽しみにしていたけれど、生ものや消化の悪そうなお皿には手を付けず、もちろんアルコール抜き。同席の皆さんにワケを説明しなければならないハメになった。
以前はこれだけの数を切除したら即二泊三日の入院だった(二度経験)が、最近は可能な限り自宅での安静らしい。まあ、仕事を心配するより、いいか。
(2023年2月12日) (M)