熊本教育ネットワークユニオン

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「インパール作戦」と「BIG MOTER」

インパール作戦」と「BIG MOTER」

 

 読書をしていると、たまに連れ合いが「読んだ内容、覚えてるね?」と尋ねてくる。馬鹿にするなと思いながらも自信がないので「うーん」と曖昧な返事をする。

 

    この季節は、本屋に戦争関係の特設コーナーができる。講演会の待ち時間に立ち寄ったTSUTAYAで文庫本を2冊買ってしまった。一冊は若い頃ほとんど読んでしまったはずの松本清張本。最後まで読んでしまっても、読んだことがあるような、ないような、判然としなかった小説「遠い接近」は、赤紙のせいで職人としての生活を奪われ、古兵からの凄惨ないじめに遭い、家族は疎開した広島で8月6日を迎える・・・主人公は「赤紙」を発した役人と古兵に殺意を抱く・・・といった内容。

 

    もう一冊は高木俊朗の「インパール」。参謀長は「今回の作戦は急速突進を主眼とする。そのため軽装備でいく。三千メートル級の山岳地帯・密林の中を糧秣20日分を各自携帯し攻略後現地調達。重量のある毛布・外套は携行しない。負傷兵は途中に残す。砲はなるべく少なく。」と作戦を命ずる。無謀な作戦によって三万人の命が失われ、敗戦後は部下に責任を転嫁したという。「インパール作戦」の成功を信じた士官は、ほとんどいなかった。上命下達至上の軍隊では如何ともし難かったのだ。

 

上命下達でボトムアップが利かない国々を私たちは知っている。しかしそれは私たちの国でも同様で、安倍晋三総理総裁以降の自由民主党・「アベ政治」に明らかだ。まもなく二年を迎える岸田首相も、政治家としての「胆力」や「学ぶ力」「聴く力」のなさが故の悲しいパフォーマンスに終始している。国民の多くも、そのことに気づいている。次の国政選挙でもこのような政治を許す結果になるならば、インパール作戦のような悲劇がこの国を覆うのは絵空事ではない。おりから、日本の今を象徴するかのような事件が「BIG  MOTER」で明らかにされつつある。 (2023.7.23)