晴れ次の日は雨
4月に無職になってから、月に1回くらい1・2泊の旅をしてきた。先月は行っていないし、2ヶ月以上県外にも出ていない。九州内の温泉を宿泊予約会社のサイトで見た。すると大分県が宿泊補助はないがクーポンが出ること分かったので、手頃な値段の宿を探した。
別府の宿で喫煙部屋とあったが、禁煙部屋より数千円ほど安かった。少々臭いのは我慢することにして予約会社に電話した。実際、座卓の上には最近あまり見かけなくなった大きな灰皿が置いてあった。
父がヘビースモーカーだったのが反面教師となって私は喫煙者にはならずに済んだ。昔は家は学校でもバス・列車・飛行機でも紫煙たなびくのが普通だった。喫煙者も減少して建物や交通機関も禁煙になり、家の外やマンションのベランダで喫煙している人をよく見るようになった。普段タバコの煙に接することが少なくなったせいか、返って道ばたやすれ違う自転車などからのタバコの臭いに敏感になったように思う。
別府は今までに2回ほど泊まったことがある。共済組合のホテルは風呂の湯がとにかく熱かった。有名な巨大ホテルは建物が連なり展望露天風呂までがとにかく遠かった。バイキングの食事会場が広大だったことも覚えている。
往きの途中に湯布院があるが、観光客が多そうなので滝を見に行くことにした。湯布院の中心を北に迂回して、先ず福貴野の滝に行った。滝壺近くの駐車場への道路は狭そうなので、別の道路を行く展望所から眺めた。遠目ではあったが、かなりの落差があった。
次に東椎屋の滝に向かった。駐車場には人も車もない。ゲートもないが有料としてあった。駐車券購入の機械があり、監視カメラ作動中としてあった。料金を払ってから滝壺まで歩いた。福貴野の滝より少し低いように思った。戻る途中で、家族連れとすれ違った。駐車場には車が数台停まっていたが、駐車料金は払っているのだろうかと思いながらそこを後にした。
以前に来たとき別府ロープウェイの横は通ったが、今回初めて乗ることになった。片道約10分ほどで鶴見岳山上駅に着いた。昔は阿蘇山にもロープウェイがあった。子どもの頃乗ったように思う。仙酔峡ロープウェイもあったが、乗ったことはない。そのコンクリート支柱だけが阿蘇中央高校の準備室から見えた。
鶴見岳山頂は多くの人で賑わっていた。快晴で見晴らしがとても良い。少々かすんではいるが、別府の町並みや海が一望できる。国東半島や大分市なども見える。ロープウェイは定員101名とあったが、路面電車みたいに両側が座席で大部分は立つことになる。定員まではいかないようだが、行きも帰りも密集状態だった。換気用に上の窓は空いて網戸になっていたが、マスクをしてない人が多い。
鉄輪地区の小高い所にある湯けむり展望台からはその名の通り湯けむりがもうもうと立ち上る一帯が見える。そこだけ特に高温の水蒸気が大量に噴出しているのだろうか。宿泊した部屋からも間近に見えるが、その宿からは湯けむりは立ち上っていない。風呂の湯量は豊富であった。
翌日は打って変わって朝から雨。一旦止んだので、ユニークな形状のグローバルタワーに行った。ビーコンプラザという展示場や劇場などの複合施設のシンボルタワーである。1時間までは無料の地下駐車場に車を入れた。料金を払ってエレベーターで地上100mの展望テラスに上った。吹きっさらしで柵しかないので、なんだか落ち着かない。
ビーコンプラザは巨大な施設だった。エントランスホールからしてだだっ広い。収容力8,000人という多目的ホールは見られなかった。もう一つのホールのたまたまカギがかかってない扉を開けた。バルコニーで囲まれた馬蹄形のオペラハウスのような劇場だったので驚いた。何かのリハーサルをしている方たちがこちらを向かれたので、すぐに扉を閉めた。観光都市とはいえ、これだけの施設の稼働状況は大丈夫なのかと思ってしまった。隣接の別府公園がこれまた広大で、よく整備してあり大きな松の木が林立していた。
雨がまた降り始めて、別府を後にした。途中通った湯布院は雨の平日にもかかわらず、観光バスが何台も止まり観光客で賑わっていた。
往きは小国から来たので、一の宮の方から帰ることにした。やまなみハイウェイは水分峠から濃霧だった。とても緊張しながらスピードを落として運転した。30年以上前の夜、勤務地の小国に濃霧のミルクロードを行こうとした。ライトで前方は真っ白になり何も見えない。路肩の白線をたどったが、二重峠から先はとても無理で引き返したことを思い出した。
再建した楼門の竣工祭が行われたが、その数日後に阿蘇神社を訪れた。阿蘇の教職員住宅に住んですぐに熊本地震に見舞われた。以前は無料だった駐車場にはゲートのバーや発券機や精算機が設置されて有料になっていた。勝手知ったる地なので、少し離れた場所に駐車して神社まで歩いた。雨のためか参拝客はそんなに多くなかった。久しぶりに楼門をくぐった。耐震補強のための鉄柱が左右に見えるが、往時の姿を取り戻した。駐車場には空きがあって、30分は無料とあるのを見逃していて残念に思った。
暖かいなと思っていたら、一転してこの数日急に寒くなった。屋根のない所に駐車している車はフロントガラスが真っ白に凍っている。温暖化で動植物の分布が変化しているという。日本の春と冬は短くなり、本当に猛暑の夏と冬の「二季」になってしまうのだろうか。
(熊本教育ネットワークユニオン true myself)