ベトナム政府は2016年11月22日、同国中南部ニントゥアン省に建設することになっていた400万キロワット原子力発電所の計画を中止すると国会で決めた。
ロシア(第1原発)と日本(第2原発)がそれぞれ受注を予定し計画では2028年に稼働予定。その要因は①コスト面(当初1兆円→2.8兆円。発電単価1.6倍)②福島第1原発の事故で住民の反発が強まり、「勇気ある撤退」(レ・ホン・ティン氏)とし、計画を見直すことにした。
2006年日越共同声明、2010年日越首脳会議で原発売込みを推進しようとした、安倍の政策は、ベトナムの賢明な判断で暗礁に乗り上げさせることができたようだ。ベトナムの国民にとってベトナム経済の今の一時的危機が、将来の原発の利権など闇の世界から救うことになったのかもしれない。
注1)
2006年 日越共同声明
2010年 日越首脳会議
2010年 国際原子力開発株式会社設立(2億円 各電力会社・三菱・日立・東芝・産業革新機構)
2011年 福島第一原発事故
2015年 三菱アレバの新型炉を推奨(日本政府からベトナム政府)
注2)
発電量400万キロワットとは、最大出力が400万キロワット。
福島第一原発 (認可最大出力) : 発電電力量 (設備利用率)
福島第一原発 1号機 ( 46.0万kW) : 3,696.67万kWh (91.7%)
福島第一原発 2号機 ( 78.4万kW) : 5,042.58万kWh (73.4%)
福島第一原発 3号機 ( 78.4万kW) : 4,887.75万kWh (71.2%)
福島第一原発 4号機 ( 78.4万kW) : 5,672.89万kWh (82.6%)
福島第一原発 5号機 ( 78.4万kW) : 5,943.82万kWh (86.5%)
福島第一原発 6号機 (110.0万kW) : 7,705.29万kWh (80.0%)
―――――――合計 〔469.6万kW〕 :32,948.99万kWh (80.1%)
福島第二原発 (認可最大出力) : 発電電力量 (設備利用率)
福島第二原発 1号機 (110.0万kW) : 9,015.18万kWh (93.6%)
福島第二原発 2号機 (110.0万kW) : 8,997.40万kWh (93.4%)
福島第二原発 3号機 (110.0万kW) : 7,908.90万kWh (82.1%)
福島第二原発 4号機 (110.0万kW) : 6,891.58万kWh (71.5%)
―――――――合計 〔440.0万kW〕 :32,813.06万kWh (85.1%)