熊本教育ネットワークユニオン

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十分の六

十分の六
   わが尊敬する好きな大野滋さんは、スラッガーだった。何故なら彼は言った。「あのね、調子がいい時は、ボールが止まって見える」。止まったボールは完璧にとらえられるだろう。宮本武蔵がハエを箸でつかんだごとく。
 ある方にテニスを教えてもらうことになった。フェデラーの写真を見せて「これを見て何に気づきますか」。「フォームが美しいです」「そうですね。そして、ボールをラケットに当たるまで見ている、ということに気づいて欲しいのです」。確かにボールがラケットに当たるのをフェデラーはみている。「今ボールを見てしたか」「え。見てましたよ」「ラケット置いてください。今から右と左にボールなげますから、右は右手、左は左手でとってください」。なんとボールとれずはじいてしまう。「なぜでしょうか。ボールから目を離すのが早いからと思い、最後までみてください」。すると投げられたボールを取れた。やはり、ボールから目を離すのが早かったのだ。以前バトミントンでネット上からスマッシュを打つとき、最後までボールみておくのか、相手のコートを見るのかと考えたことがあったが、未解決だった。そうだ、ボールがラケットの一番適するとこに当たるのか、見るしかないのだった。「例えば野球ではバットもボールも球面なので、一点で接触します。その一点はどこですか?。ボールを縦に10分割して上から何番目で当たりますか?」そうだった。上から6番目に当たった、となればラケットに当たるまで見ていたと確認できる(もちろん6番目と正確には確認できないが)。つまりボールがラケットに当たる寸前で目はボールから離れていた、ということ。見ていると思っていたが、見ていなかった。これは大きなことだった。ミスショットはこれが原因だった。
ボールを当たるまで見る。それが全集中でできたとき、ボールが止まる。大野さんの言
葉を思い出す。10分の6を見たのか。これから、ボールを最後まで見るくせに修正したい。

(ネットワークユニオン M)