チョークは減らないが
2年ほど前までの授業では、毎時間黒板にチョークで書きまくっていた。字が大きかったので、1回は消して最低2面は書いていた。授業プリントを作る前はもっと書いていたように思う。チョークをよく折っていたこともあって、白と黄と赤の三色をケースにしょっちゅう補給していた。近頃はチョークがほとんど減らない。補給もしないので、ケースの存在も気にしなくなった。
HR教室にはプロジェクター、特別教室には大型テレビなどが設置されているので、たまにビデオ映像などを見せることはあった。他の先生が授業プリントや資料などの提示に使用しているので、もう少し利用してみようかくらいに思っていた。それが、コロナ禍で変わっていった。
2年前、前年度末に続き新年度早々コロナ感染防止のため休校になった。学校再開後、少しずつ授業プリントをプロジェクターでスクリーンに映して授業するようになっていった。最初はHR教室設置の古いノートPCがプロジェクターに接続してあるので、USBメモリーを差して使っていた。
ワープロソフトのデータからPDFに変換すると見やすくなることを他の先生から聞いていた。記入済みの授業プリントのPDFファイルを作り、時々映すようになったが、やはり主体は黒板に書くことだった。教科書会社の教授資料にある動画データなども使うようにはなっていった。
昨年9月、分散登校でオンライン授業をしなければならくなった。タブレットを使って配信するわけだが、カメラで映る範囲が狭くて限られている。スクリーンが入るように、タブレットの位置を調整してただのライブ中継をした。授業プリントは生徒配布用と記入済みの2種類PDFファイルを作り、交互に映すようにした。
プロジェクターに備え付けのタッチペンを使うようになったので、黒板にはほとんど書かなくなった。しかし、ノートPCでは画像をスクロールすると、タッチペンで書いた字は置き去りになりずれてしまう。分散登校が解除されてからも毎時間スクリーンが主になった。黒板に書いても教室にあるチョークだけで済むくらいになった。授業のときはUSBメモリーとPC操作用の無線マウスと教材などをを持って行った。
そうこうするうちに、タブレットを持って行ってその画像を映すことにした。ケーブルで接続すると、タッチペンで書いた字も連動してスクロールしてもずれない。それに、動画やインターネットもプロジェクターのスピーカーからの音声付きで見ることができる。
タブレットは無線でもプロジェクターと接続できる。それだとスクリーンにタッチペンで書くと遅れて筆跡が出るので、ケーブルで直接つなぐことにした。従って、タブレットを使うようになってから、USBとHDMIのケーブルとアダプターが必要になった。水分が足りないせいか指でタブレットのタッチパネル画面を触っても反応しにくいので、無線マウスも教室に持って行くことにした。昔に比べるとタブレットを含めて持って行くものがかなり増えた。昨年より授業する教室が遠くなったので、教材などを忘れたときに取りに帰るのが億劫になる。
4月下旬の授業が3時間あった日、タブレットゆえに少々困って毎時間アタフタした。2年生の授業を電子黒板がある特別教室で行った。ケーブルの接触不良で画面がなかなか映らない。端子の差し込み口が緩くなっているようで、差し替えたりケーブルを持ち上げたりしてどうにか繋がった。1年生の授業ではアダプターを持って行くのを忘れた。備え付けのノートPCを使うことにしたが、その立ち上げと表示画面の設定に時間がかかった。もう一つのクラスでは、Wi-Fiがつながらなくなりタブレットの操作ができなくなった。再起動を2回繰り返してどうにか復旧した。
昨年スマホに変えたが、使い方はガラケーとあまり変わっていない。そんな私でもICT機器を駆使できたら便利だとは思うが、年取った非常勤にはそう簡単にはいかず苦戦する。生徒全員がタブレットを開いて行っている授業もあるが、教材はどうすれば良いのだろうか。教員を長くやっていると生徒と対面でないと授業した気にならないように思う。また、機器に頼り切りになるとことにも不安がある。機器の不具合や調整もあるだろうし、停電でもしたら何も使えなくなる。黒板は広くて字も大きくスクリーンより見やすい。板書すると時間はかかるが、臨機応変に以前のように黒板を使う心積もりも持っていたい。
今年のゴールデンウィークもいつも通り遠出はしなかった。市の中心繁華街にも、この2年くらいほとんど行っていない。クラス会のため高速バスを使用しときとウクライナ侵攻反対集会に行ったときくらいである。非常勤なので授業の空き日に遠出することがたまにはあるが、コロナ禍になって県内だけになった。さて、これから感染再拡大にならなければいいのだが。
(熊本教育ネットワークユニオン true myself)