熊本教育ネットワークユニオン

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侏儒の呟き(15)

侏儒の呟き(15)

 

〇裏金問題に関する自民党の「政治刷新本部」なる組織について。その名称からして既に本気度が疑われるが、顔ぶれを見て思わず吹き出してしまった。例えれば、強盗を働いた者たちの集団が仲間の罪の度合いを検証するようなもの。国民の目を批判から逸らすための愚かな試みだ。あいにく我われの目はそんなに曇っていないよと、いちいち教えなければならないのか。

 

〇世界は良心で動いている、最後には善意が勝つと、そのように信じてきた。しかし自民党議員たちの不誠実な行動・態度に接すると、性善説を見直さなければならぬのではないかと自問する。ともに派閥の領袖(いや「親分」というべきか)とは言え、一人一人はその気質も性向も判断力も違うだろう。にもかかわらず、なぜ一様に裏金作りに奔走してしまったのか。裏金だけではない。ここにきて官房機密費やら政策活動費やら、何やら一般国民が知りえない怪しげなカネの問題が浮上してきた。しかもその額が桁外れときている。使途を明らかにすることは政治家として当たり前の責務なのに、有権者への説明も釈明もしようとしない。カメラの前でボソボソと言い訳をする姿は憐憫の情すら起こさせる。

 

〇七十余年も生きてくると、実体験としてまたは映像を通して、世の中の動きはほとんど経験してきた。世界のどこかで必ず戦争があった。国内ではひっきりなしに自然災害が起こった。地震や洪水を、自分のこととして経験もした。しかし現実に、自分の真横で銃声が響くのを聞いたことがない。弾丸が飛び交うのを見たこともない。もちろん徴兵されたこともなかった。これこそ平和憲法の恩恵だったろう。第2次世界大戦後、日本が世界から(アメリカを除く)、特にアジア諸国から平和を標榜する国家として一定の評価を得てきたのは、まさに日本国憲法が中心に座っていたからと言って過言ではあるまい。

 

軍国主義の亡霊について。そういう日本の歩みが不満でしょうがない、弾丸やミサイルが飛び交う国でなければ面白くないと考えたのだろう、歴代の総理経験者たちは次々に憲法を軽んじ、無視し、時には足蹴りにしてきた。アベは特に顕著で、つばさえ吐きかけた。悲しいかな、同じことをキシダがやろうとしている。いや、歴代のどの愚か者より度の過ぎた愚かぶりを演じている。

 対中国、ロシア、北朝鮮に対する敵視政策が高じてくるとそれを先取りし、エスカレートする者たちが現れる。先日あるテレビ番組で「脅威から国を守るためには日本も対等な力を持たねばならない。核武装しかない。」などと、物知り顔の学者が語っていた。核抑止論は既に破綻しているというのが世界の常識ではなかったか。また別のところでは、ジャーナリストなる右翼思想家が若者に戦争を煽ったというニュースが流れた。公の場で、あるいは公共の電波を使って、こんな危険な声をまき散らすことを手伝うメディアの姿勢にもレッドカードを出したい思いだ。

 

〇キシダ首相に「あなた、正気ですか」と問いたいことがいくつもあるが、今はまだ十分に整理ができていないので次回のテーマとしたい。最後に狂歌をひとつ。 

 アベが敷きアソウ固めしいくさ道

       にこにこ走る軍拡キシダ   ~~オウシャン・セイリング~~