侏儒の呟き(16)
〇政権与党を批判する者は多いが、返す刀で「野党もだらしない、信用できない。」と言う者が巷にあふれている。専門家であれ素人であれ、こんな輩こそ信用するに値しない。「この際みんなで応援しましょう。野党がんばれ!」というべきである。今の政治体制が続くなら日本はますます世界から取り残されていくだろう。のみならず一歩一歩、戦時体制に入っていくだろう。一連の問題で自公政権には解決の意欲も自浄能力もないことが分かった。国民の目に見えてきたもの、それは底知れぬ金銭欲と官僚や検察、国税局まで巻き込んだ深い闇であった。ならば私たちに与えられた選択肢は一つしかあり得ない。リベラル勢力による政権交代である。
〇雨が降っているとろとろとした長雨が
私は山を眺めている心を濡らして
こんな時は山だって不機嫌になるらしい
さっきから怒ったり喚いたりしている
白と黒の絵の具を混ぜて
ぞんざいに画布に塗りつけたように
霧と雲とが谷を埋め尾根を覆って
稜線が描く美しい調和を崩してしまった
すると小さなひとつひとつの峰たちが
舞台の真ん中に歩み出て踊り始める
白い頭巾を被った子どもたちの踊りを
雨が降っているとろとろといつまでも
私は山を見つめているただ見つめている
雨は私の空想の翼をも濡らしてしまった
〇政治を語ることは精神に害悪を与えることである。現状があまりにも八方ふさがりに見えるから。しかし国民の権利としてまた責務として、政治の舞台から目をそらすことはできない。厚くて重い梅雨空の、雲の切れ間から時折り青い空が姿を見せるように、
求めれば明るい展望は見えてくる、と信じたい。
(二人のジャーナリストの言葉を引用して終わります。『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』講談社)
「(電波停止発言について)あの時点で民放連、NHK含めて皆で声を上げて抗議するべきだったのです。ジャーナリストが政府を怖れてしまってはおしまいです。沈黙しないで、一つひとつの不正に、一つひとつ声を挙げていけば政治は変わるだろうし、社会も変わっていくと思います。」(望月衣塑子・東京新聞記者)
「政府が自分たちの政権維持と経済独占だけに腐心して、市民の生活と人権を蹂躙して恥じない以上、今こそジャーナリズムは徹底して市民の命と生活から発想して、権力を倒さなければならないね。」(佐高信・評論家)
~~オウシャン・セイリング~~