熊本教育ネットワークユニオン

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台風は居座った

台風は居座った

 

 台風10号スパコンの予想から大きく外れ、どんどん西へ。九州の西を北上するようだ。935hPa、上陸する台風としては最強だと報道される。熊本にとっては最悪の直撃コース。

 近所からは、補強のための電動ドライバーなどの音が聞こえた。雨戸やシャッターも早めに閉まっているところが多かった。目の前の家も窓全部に厳重に養生テープを貼ってあった。我が家も遅れはしたが、同じようなことをした。

 

 テレビのデータ放送やインターネットを見るが、風速の予想が何だか低めで、風向予想もまちまち。薩摩川内に上陸、ゆっくりと天草、島原、玉名そして大分に抜けた。ジョギング並みと表された。四国に上陸してからもノロノロ、ウロウロ、止まったり。

 鹿児島や宮﨑それに県南は風雨が激しかったようだ。停電したところも多かった。ところが、熊本市に最接近しても風雨はそんなに強くなかった。

 

 迷走した理由を新聞やテレビなどで解説をしていた。張り出した「太平洋高気圧」、「寒冷渦」と呼ばれる低気圧、それに「偏西風」の位置などの関係だそうだ。私なりに整理すると、台風が高気圧周辺部の時計回りに吹く風に乗るはずが、西に発達した寒冷渦の反時計回りの風に引き寄せられたとか。また、地球温暖化などの影響もあり偏西風が日本列島の北の位置にあって、なかなか流されなかったとか。推進力の無い台風が宙ぶらりんの状態で彷徨っていたと言えば良いのだろうか。

 地学分野はあまり詳しくないが、地球の自転による転向力により台風は北半球では低気圧で反時計回りに渦を巻く。同じ働きで高気圧の縁は風向が時計回り、寒冷渦の縁は反時計回り、そして偏西風は西から東に吹く。

 転向力コリオリの力とも呼ばれ、地球の回転(自転)による見かけ上の力だとある。北半球では物体の運動方向の直角右向きに働き、物体の進行は右へと曲げられる。南半球では逆になる。

 

 過去にこのブログに台風のことを投稿した記憶がある。調べたら、2年前の9月に2回連続で書いていた。2022/09/24付けの投稿文の一部を紹介する。

「前回、台風11号のことを書いたら、今度は14号。続けて台風の脅威に見舞われるとは思いもしなかった。急速に発達して中心気圧は910ヘクトパスカル最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルで新幹線並み、大型で猛烈な勢力。今までに経験のないような暴風雨。九州直撃そして列島縦断。次々に出される情報に刻々と不安は募る。・・・・・・18日夕方、930ヘクトパスカルで鹿児島に上陸。熊本市付近に向かっている。暴風域に入っているが思ったより東の風が強くない。・・・・・・台風の位置や九州の地形などの関係で宮﨑などは豪雨被害があったが、熊本は直撃の割には被害が少なかったようだ。(途中省略)」

 

 2年前にも同じようなことがあったが、今回の台風10号はとにかく特異であった。こんなに長期間日本列島に居座るなんて。遠く離れた東日本や北日本などにも豪雨を長く降らせて、軒並み降雨量は観測史上最高値である。全国各地に土砂崩れや浸水被害を与えた。在来線も含めて東海道新幹線などがこんなに運休するのは初めてのようだ。

 大分の姉に電話した。雨は強かったが、風はそんなでも無かったと言う。大分も場所次第で相当な被害がでた。テレビのデータ放送などで熊本市周辺もそんなに風雨が強くないようだとは思っていたそうだ。

 

 新聞にこんな記事が載った。抜粋すると、「佐賀県の町長が台風10号の接近に絡み『勝手な希望を言えば、阿蘇山に台風の力をそいでもらって、台風が東へ抜けてもらうということです』と自身のフェイスブックに投稿し、その後、削除していたことが30日、分かった。『早く進路を東に変えてほしいという本音がつい出てしまった』と説明。『熊本県や九州東部の方に誤解を招く恐れのある内容で配慮が足りなかった』と謝罪した。(途中省略)」

 誰でも、台風は自分の方に来ないで逸れてくれと思う。それでも、何でこんなことをわざわざ投稿するのか分からない。率直に考えが足らず申し訳なかったとだけ言えば良いのに、「誤解を招く」という言葉がまた出た。閣僚や国会議員などが釈明などでよく使う言葉である。自分の真意を相手が誤って思い違いをしたと責任転嫁しているようにも聞こえる。

 

 散歩をしていると、最近建った家は台風にも地震にも強いように見える。建築中の家の骨組みを見ると、厳しくなった建築基準のためか筋交いや金具による補強がしっかりしてある。小さい窓が多いが、大きな硝子引き戸でもシャッターが付いていないところもある。二重や三重ガラスで丈夫なのだろうが、飛散物に対してはどうなのだろうか。

 近頃の家には我が家にあるものが無い。土台に換気口が無い。犬走りも無いようだ。窓にひさしが無いのは、空調が前提で少々の雨では窓を開けないという前提なのだろうか。これらは必要性が無いのか、それとも単純にコストダウンなのだろうか。

 多くの家にあるものが、我が家には無いことにも気が付いた。外壁材と土台の間にはさんで家を一周している「水切り」という金属製の部材が無い。壁などから水の浸入を防ぐためのものだそうだが、昔のモルタル塗装などの家には無いようだ。

 エコキュートとも呼ばれるヒートポンプ技術を利用した電気給湯機がある家も多い。いわゆるオール電化になっているということなのか。屋根にソーラーパネルがあるところも見かける。ほとんどが屋根材の上に後付けだが、屋根と一体型もある。

 

 台風襲来直前に、床屋に行った。台所も空調が入っていて電磁調理器だとか。以前の古い店の時は台風が来るととても心配だったが、熊本地震後に建て直してからはそんなことはないそうだ。

 我が家は建て直しは多分しないが、平屋でソーラーパネルの屋根に蓄電池それに井戸ポンプなどを備えた家ならば地震でも台風でも慌てないで済むだろうと思うこともある。

 

(熊本教育ネットワークユニオン true myself)