熊本教育ネットワークユニオン

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歯医者もファミレスも久しぶり

歯医者もファミレスも久しぶり

 

 歯科治療はどうも苦手である。まあ、大多数の人がそうではないだろうか。子どもの頃から、歯医者に行くのは痛くなってから仕方なし。教員になってからもそうだった。いつ頃からだろうか、高校でも弁当を食べた後に多くの生徒が歯磨きするようになったのは。先生方の中にもおられる。

 私は子どもの頃から歯磨きを無精していたので、歯や歯茎には自信がない。今でも雑で短時間だと注意される。非常勤講師を辞めて時間があるので、先ずは歯石取りに行くように言われていた。

 

 どこの医院に行くか考えた。勝手な思い込みで、数年前に行った歯科医が複数いる医院は技量に差があるような気がする。古いところより新しいところの方が設備や治療法が進歩しているような気もする。新興住宅地の近くは小さな子どもが多い気もする。結局、妻が時々健診に通っている医院に行くことにして予約した。

 いざ行くとなると少々不安になる。歯石取りだけなら良いが、虫歯や歯茎などの治療を言われるかもしれない。何回も通わなければならないのだろうか。

 

 意を決して医院に入った。開院して5年くらいで内部はまだ新しくてこざっぱりしている。マイナカードを保険証として使うのは2回目である。耳鼻科医院では装置にカードを入れて暗証番号を打ち込んだが、今回は顔認証をした。予約していたので、早速呼ばれてレントゲン撮影をした。顎をのせて固定した状態で装置が作動して、上下の歯全部がパノラマの画像となった。昔は部分的な撮影だったが、私はこの装置で十数年前から撮影されていたように思う。

 歯科衛生士に歯周ポケットなどを調べられたが、どうにか正常で歯周病の兆候はないようでホッとした。前回歯石取りをしたのは相当前だと思う。写真を見せられたが、特に下の前歯の裏側に付いていた。2回に分けても良いといわれたが、続けてもらった。検査から1時間くらいかかって終わったと思ったら、歯科医師が来られた。

 上の奥歯の最後端横の詰め物が取れて虫歯になっているそうだ。定年後の臨採1年目、勤務校の近くの医院で親知らずを抜き、隣の奥歯のヘコんだところにセメントのようなものを詰められた。親知らずは、埋まっていたり斜めに生えたりすることが多いようだ。

 

 別の日に虫歯の治療に行った。2・3回かかることを覚悟していたが、1回で済んだ。一番奥で難しいと言われたが、くぼみを削ってから、ペースト状のようなもので埋めてから光を当てた。光硬化レジン(樹脂)で、鏡を使って見せてもらったが歯の色と変わらなかった。10年くらい前に行った歯科医院でも、歯の根元の修復で使った記憶がある。

 

 授業でアマルガム(水銀合金)が虫歯治療として使われたことを紹介することがあった。アマルガムや銀スズアマルガムが歯の充填材料に使われ、奥歯に黒っぽく見えたが、今は使われていないようだ。

 水銀には3つの化学形態がある。常温で液体である金属水銀(水銀の単体)は温度計や体温計それに気圧計にも昔は使われていた。無機水銀化合物で特に水溶性のものは猛毒である。有機水銀化合物は脂溶性で生物濃縮性が高く非常に猛毒である。特に中枢神経や神経細胞に強い障害を起こすことが知られている。

 教科書では水銀のイオン化傾向が水素より小さく塩酸や希硫酸などの普通の酸には溶けないとされている。しかし、実際は金属水銀は水にも微量溶けるそうだ。時間経過や量次第で毒性がある。また、水銀は加熱すると水銀蒸気となり、肺・腎臓・脳などを冒すという。

 授業でアマルガムによるメッキのことを話したこともある。奈良の大仏は創建当時は光り輝いていたそうだ。金を大量の水銀に溶かした金アマルガムを塗布して、最終的に火であぶって水銀を蒸発させて、金メッキとしたという。大量発生した水銀蒸気を吸った多くの人が、水銀中毒によって死亡したと言われている。

 今までの治療で歯に合金製の被せものや詰め物が私にはある。アマルガムの詰め物が残っているのかは分からない。老い先は短いが、長年のうちには水銀が溶け出したり、歯を削るときの摩擦熱で水銀蒸気が発生しているかもしれないと思うと気持ちは良くない。

 

 テレビや映画などで芸能人などの口元を見るときがある。歯並びが良く、奥歯に詰め物などが無いように見える場合が多い。若いときとは全然違う人もいる。歯科矯正や義歯そして保険適用外のセラミックみたいな高価な材料を使っているのかなと下らないことを考えてしまう。

 

 ファミリーレストランに前に行ったのはいつだっただろうか。席に着くと、呼び出しチャイムは無くタブレットみたいなパネルが設置されていた。なんだか、回転寿司の注文パネルみたいだった。従来通り店員を呼びたいときはパネルからもできるようにはなっていた。今までの大きなメニューを見てから、パネルで注文した。画面が小さくて、慣れないと選びにくい。

 どうにか注文して待っていたら、少々驚いた。料理を配膳ロボットが運んできた。トレイを棚から取ってテーブルに置くのは客がすることになる。人手不足対策や人件費削減にもなるからだろう。詳しくは分からないが、いろいろなセンサーを備えたAI技術で安全対策は当然してあるとは思う。使用したことはないが、掃除ロボットの親戚みたいである。いずれは、テーブルにのせたり、後片付けするようにまでなるのだろうか。

 

 AI(人工知能)技術のことをよく聞く。文章や画像の生成AI、ニュースのAI音声、プロ棋士も使う将棋や囲碁のAIソフト、AI家電・・・・。うまく使えば便利ではあると思う。年寄りが考えても仕方ないが、漠然とした不安感はある。AI無しには生活できなくなるのでは、SFみたいにAIに支配されてしまうのでは。単純労働はどんどん機械化されてきたが、人間の創造性はAIによって高まっていくのだろうか、それとも・・・・。

 

(熊本教育ネットワークユニオン true myself)